「相模先生は人狼なんですよ」 手にしていた本を取り上げられて、僕は文句を言おうとしたけど 「学校長はドラゴンで、沢津橋先生は魔女、会長君は…人造人間フランケンシュタインです」 もぐもぐ口を動かしながら僕はなんとなく納得をした 「安西先生は?」 なのに先生はそれを無視して 「…君は、ウサギ人間です」 だとか訳の分からないことを言っている。いないよそんな怪物 「僕は吸血鬼だと思うなあ。ぴったりじゃん」 でも、安西先生は 「違いますよ、私は…私は、ドッペルゲンガーです」 全然ピンとこないものに自分を重ねた 「ドッペルゲンガー?」 なに言い張ってるのさ。全然面白くないよ 「本物を殺して入れ替わった、同じ人間」 むくれる僕へ念を押すみたいに、口を歪めて呟いた 「じゃあ、今ここにいる安西先生は、本物じゃないの?」 ああ、本当に面白くないね 「もういいよ。つまんない」 本物と、今の、安西先生ってこと? 「私が殺したのは…さて、本当に本物だったのでしょうか?」 なんのことを言ってるのか解らない 「ドッペルゲンガーだった私は、前に居た【安西聡美】を殺して、本物になりました。でも…」 でも? 「でも、私もまた私のドッペルゲンガーに殺されて、その私と同じ人間に入れ替わられてしまうような気が……そう 、それを繰り返してきたような…そんな気がしてならないのです」 ああ、つまらない、面白くない
きっと最初から最後まで、僕をからかうウソなんだけど 死んでいった安西先生と |