「肉便器について少し考えたのですが…」
「死んでしまえ」
「え?酷くありませんか高屋敷君?」
「酷いのはそっちの思考だろうがー!!非人道的な表現は僕嫌いです!」
「…? 便器は人じゃありませんよ?」
「だからそういう発言も…」
「何だかよく解りませんが、設計図くらい見て下さいな。これでも先生頑張って書いたのですよ」
「は、設計図?…え、なにこれトイレの設計図…ん?え?なんかよく分かんない。もういいや最初っから説明して」
「しようとしたのに君が罵倒してきたんじゃありませんか…ですからね、肉便器ですよ。来たるべき冬場に備えて考えたのです。これは内臓等の余分な器官を排除した擬似生命体を便器の形に作り上げて、陶器やプラスチックにありがちな腰かけた時の冷たい触感を防ぐという画期的な発明で」
「安西先生バカなんじゃないの。もうそれを防ぐためには便座カバーっていう文明の利器が出来てるんだよ」
「いえそれは知っていますが、やはり人肌の温度があった方が…」
「電気で温かくするやつあるじゃん」
「機械じゃ心が籠りません!」
「その疑似生命体に心はあんのかよ!そんでもって決定的なこと言うと気持ち悪いから止めた方がいいよ!」
「気持ち悪くなんかありません、ほらこれがCGで作った完成予想図です」
「…気持ち悪いわ!便座だけじゃなくて便器からタンクまで全部肉じゃん!」
「この機械嗜好症め、そんなに生物を愛さないというのならば君の身体も陶器に変えてやりましょうか?」
「そういう問題じゃないでしょ…もう頭おかしい人の相手するの疲れた。そんなにいい発明ならTOTOにでも持ち込んできなよ…」
「量産には向いてないから駄目ですよ」
「あっそ。じゃあやめといたら。他に便座カバーとか温かい便座とかあるんだから我慢しなよ」
「いえ、先生たった今良いこと思い付いちゃいました。量産可能な肉便器をねえ」
「どうせまたロクでもない…え?なに?ちょ…なに?!なんで僕を運ぶのなんでトイレに連れ込むのー!?」




あれ以来ずっと

僕は便器に直接腰かけさせられ

生きている便座として生きています




「やあ高…便座君、今日も清潔で良い子ですねえ」
「便座に話しかけるとかキチガイじゃないの」
「心の方は大分汚れてきたみたいですね」
「うるさいな。座るならさっさと座ったら」
「いえ今回はそっちじゃないので…両足上げてくれます?」
「チクショーこのド変態野郎がああ!!」
「いやー便座君は身体が柔らかくて、本当に便座になるために生まれてきたような子ですねえ☆」
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