「おや?高屋敷君、もう事情聴取は終わったのですか?」 「終わったよ。カウンセリングも一応ね」 「変質者に一週間も監禁されていたのだそうですね。見に行けば良かったです。何となく面倒で行かなかったのですが、勿体ないことをしました」 「人のトラウマをなんだと…え!?知ってて助けに来なかったってこと?!」 「今となっては少し悪かったと思います」 「少し…もういい。安西先生をアテにした僕がばかでしたー。ふん!」 「だって私が助けずともこうして無事解放されたのでしょう?良かったじゃありませんか、日本の警察屋もたまには頑張りますね」 「僕が監禁されてる間なにやらされてたか知ってもその台詞言えんの?」 「うーん、何でしょうねえ。米櫃の中に埋められていたとか?」 「え…違う…て言うかなにそれ」 「違いましたか、じゃあ猟奇ですかね。妊婦の腹を裂いて赤ん坊を引き摺り出した後に押し込んだ黒電話とキーホルダーを舐めるのが唯一の食事だったとか。…はは、いや、その割りには痩せていませんでしたか」 「うん…違う…」 「とすると、変態性欲ですが…女装させられて全身にラテックスを塗られた後ルームランナーでランニングハイになるまで四つん這いで走らされたとかですか?マトモな私の頭ではこれくらいしか思い付けませんけれど、これ以上恐い目に遭ったんですか?」 「あの…うん…そうだね、やっぱり先生以上に恐い目に遭わせられる人いないね…」 「でしょう。…で、結局何をされたのです」 「えー…今の聞いちゃうとトラウマどころかPTSDにもなんないくらいのことだよ?つまんないよきっと」 「それでも怖かったことは怖かったのでしょう?聞かせて下さいな。先生、人が怯え泣く姿が大好きです」 「サディストめー!!」 「はいはい、誉めてくれてありがとう御座います。で?」 「…えっと…変態の人一緒にずっとサザエさん観させられて、一話毎に感想文書かされた。しかも添削して赤点だったら書き直しで…警察の人来るまでずっと…」 「………」 「あ、あのね!?聞くだけだとバカみたいだけど!実際やられたらすごい恐いんだからね?!知らない人に連れてかれるだけでも恐いんだし意味不明なことやらされて…って、安西センセ?どうしたの顔押さえて?」 「……う…か」 「え?なに?頭でも痛いの?」 「そうですかそうですかへえそうですか高屋敷君がそうですか成る程ねえ!?」 「ひいっ!?!」 「安心なさい高屋敷君。先生、可愛い生徒の君がそのような辱めを受けた事を見逃す教師ではありません。愚かな罪には愚か者の血で報いらせねばなりませんよねぇ…!嗚呼嗚呼不愉快千万今直ぐこの手で八つ裂きにしてくれますよ!」 「えええサザエさんはそんな重罪なの?!ちょっ…やーめーてー!!もう塀の中だしいいからー!!あ、センセ待って…安西先生!安西先生ぇー!!」 しばらくして帰ってきた安西先生は 全身血塗れでニコニコしていました そのあとはお菓子をくれたり遊んでくれて 心のケアをしてくれてるみたいなんだけど 僕は先生の家から出してもらえません 「ねー安西先生…僕そろそろ帰りたいんだけど」 「いけません。絶対にいけません」 「…まいっか、タダメシ食べられるし」 |