「あーあ、楽してお金が手にはいんないかなー」
「パンツ買ってあげましょうか?」
「それならストレートにお小遣いちょうだい」
「対価も無しに金銭を得るのは古来より悪徳とされていますよ。農耕民族では余計にね。強欲の戒めは教訓話にもよくあるでしょう?ミダス王とか」
「乱す王?」
「神様からのご褒美に何がいいか聞かれて、触れるものが皆金になるようにして貰った王様です。最初は喜んでいましたが、ご飯を食べようとしたらそれも金になってしまったりして、結局は不幸になってしまうのですよ」
「へーえ、でも、金になったごはんって見てみたいね!きっと綺麗だろうなー」
「それはもう、綺麗でしょうとも。お金に不自由したことのない私ですが、それでも金の美しさは飽きませんね」
「そういえばかぐや姫のお話でも、金の木を持って来いってお話があったね?きっとあれも綺麗だろうねえ」
「ううん、あれは宝石も使って作ったものでしょうから、また違うかもしれませんが…」
「そうなの?先生はなんでも知ってるね」
「先生ですからねえ」
「僕も金になったなんかを見てみたいなー。ねえ、お金の力でやってよボンボンの安西先生!」
「お金の力でもできますけれど、それでは結局金で作った食品サンプルとかになっちゃいますし、別の力でやってあげますよ」
「別の?」
「はい高屋敷君、こっちにいらっしゃい。なでなでしてあげます」
「? なに急にー? う!」
「よしよし可愛い可愛い、でも綺麗にもなって貰いませんとねえ」
「……」
「そら、すっかりぴかぴかになりましたよ。髪の毛一本まで、とっても綺麗な金糸です。大事に飾る…のはつまりませんので、どんな風に使ってあげましょうかね?」


僕は普段お姫様の服を着せられていて

玉座の隣に立っている

王様になった安西先生は

罪人の処刑をする時に

僕を真っ赤に焼き上げて

にこにこしながら見物する
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