「相模先生、団子とか好きですか？」 『…いきなりなんだよ』 「作ったのですよ、良かったら一緒にどうですか」 『お前の手作りなら断るわ』 「失礼ですね。高屋敷君も頑張ってくれたのに」 『あー、なら食ってやるよ』 「へえ、私では食べなくて高屋敷君なら食べるのですか。ああいやらしい気色の悪いこのショタコン」 『お前だから食わないんだっつの。何入ってるか分かったもんじゃねえ』 「大丈夫、とっても美味しいはずですよ。お茶煎れますね」 『怪しいな。大体何で俺なんだ』 「単に暇そうだったからです」 『本当かねえ』 「うるっさいですね、くれてやるからありがたく食べたら良いんです。暇なんでしょう？」 『こんなもん手作りしてるお前の方が暇だろ。つうか、仕事してるのか？』 「してたらそんなもん作ってませんよ。はいお茶」 『いや、やれよ…』 「胡麻餡とみたらしどっちにします？」 『胡麻』 「つまり私がみたらしですね？粘物塗れの棒状のものを押し付けたいと」 『帰れよもう…』 「おやおや、一体何を落ち込んでいるのですか。甘いものでも食べて元気を出して下さい」 『いや不味くはないけどよ…』 「おいしい？」 『そのツラ見ながらだと最高に不味いな』 「本当に私のことが嫌いですねえ、まあ私も貴方なんて大っ嫌いですけど」 『それゃ気が合うこった』 「でも味は悪くないでしょう？沢山食べて下さいね」 『茶ーまだあるならよこせよ』 「嫌です、喉を詰まらせて死ねば良いです」 『すげえうまい』 「どうぞ、熱いですからね」 『扱いにくいのかやすいのか未だにわかんねえなあ』 「なあに、ツンデレってやつですよ」 『そういや、お前、全部食ってるけどいいのか？』 「ん？自分だって胡麻餡を全部食べたじゃないですか、今更みたらしと交換なんて出来ませんよ？」 『や、高屋敷だって。手伝わせたんだろ？食わせてやれよ』 「ああ…それは無理です。だって、もう食べてしまいましたから」 『ひでえ奴だな…』 「貴方も同罪ですよ？食べちゃったじゃないですか、高屋敷君を」 『あん？…なんだって？』 「さっきの団子、貴方が言うところの不気味な力で、姿を変えられた高屋敷君だったんです」 『…それを食わせたのか、俺に』 「美味しかったでしょう？」 『いやおま』 「あーっともう講義の時間じゃありませんかこれはいけません、じゃあまた会議ででも会いましょうね、相模先生☆」

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