「高屋敷君、二十歳のお誕生日おめでとう御座います。はい酒と煙草とAVと競馬新聞ですよ」
「大人の嫌な面をプレゼントしないでよ!重いよ!」
「あと婚姻届とか…」
「いらん!」
「ならば何が欲しいのです?」
「別にぃ。ふつーにケーキとかくれればいいじゃん。あ、でもお酒はいいかも!ねーたっかいワインとか買ってよ!」
「嫌ですよ。第一高屋敷君を大人になどしてたまるものですか」
「え…アンタさっきなんて言ったか忘れたの…」
「歳を取るのは仕方がありません。しかし君が老けるなど。酒の味を覚えるなど!ウサギの君が可愛くなくなるだなんて許せません」
「本当に安西先生は僕の成長を否定するなあ…マザコン野郎の母親みたい…。しかもさっきお酒プレゼントしようとしたじゃない」
「あれですか。あれはただの成長抑制ざゲホッ!ゴホン!ん、ううん………水ですよ」
「なにを飲ませようとしてるの!?やめてよもう元から成長度低いんだから!」
「念には念を入れませんと。高屋敷君は永遠に幼くいてもらいます。このショタジジイめ、可愛いですねえ」
「…もういいや…とにかく暦の上では二十歳おめでとう僕…。いいからケーキくれよぉー!!」
「暴れなくてもあげますよ。はい、イチゴとチョコのケーキです。今ロウソクに火を点けてあげます」
「わーでっかい!」
「大事な二十歳の誕生日ですものねえ…」
「あっつい!!?え、なに?!なんで僕に着火しようとしたの!?」
「え?何故って…火が点きそうだったから…」
「もっとマシな言い訳できないの?」
「…丸焼きにして誕生日の豪華料理にと…」
「酷くなってるよ。僕が点けるからチャッカマン貸して」
「どうぞ」
「なんで僕の後頭部鷲掴んでなにかをスタンバってるの」
「火が点いたら一気にこう顔面から」
「ぶん殴るぞー!!」
「冗談ですよ。ほら、安心して火を点けて下さいな」
「いやだ」
「何故です?点けて貰わなければ先生困ってしまいます」
「今の流れでなおも点けようなんてほど僕は勇者じゃないです。成人したからって急に立派にはならないです。と言うかこういう時は点けないほうが大人な判断ですー」
「ふむ…では代わりに成人の儀式として屋上からバンジージャンプをしますか?何の用意もしていませんが」
「それじゃヒモ無しバンジーになっちゃうでしょ!?」
「自殺は究極の成長否定ですね。行きましょうか」
「点けるから!ロウソクに点火しますから!引っ張んないでー!!」
「最初からそうすれば良いのです。そうそう、電気も消しませんとねえ」
「最近は六時なんて真っ暗だからねー。あれ、チャッカマンどこ?さっきこの辺に落としたはずなのにー」
「暴れて蹴っ飛ばしてたじゃありませんか…ええ、と……あ、ありましたよ。はい」
「ありがと。じゃあ点けるね!」
「ええ、火傷しないようにね」
「わかってるよう。……ところでさ、火を点けるのは解かるけどさ、さっき言ってた程じゃないんじゃない?」
「ん?」
「だからー、点けなきゃ困るって程じゃないんじゃないのってこと。…あれーなかなか点かないなぁ…」
「いいえ、困るのですよ。なんせ火を点けなければプレゼントにならないもので」
「え?それどういう…」
「あ、点きましたね。あと二秒です。導火線が君の体内に埋め込んだ花火を爆発させるまで」















「…たか、やしき…くん
成人、おめで、と、う……ん、読めますね。結構綺麗に上がったものです
良い記念になったでしょうねえ、頑張って考えた甲斐がありました。二十歳の誕生日おめでとう御座いますよ、飛び散っている高屋敷君達

……さて、その高屋敷君達を集めて捏ねて元に戻しませんとねぇ…


…肉の量は、ちょっと少な目にしておきましょう」
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