がららばしゃん!


「安西先生安西先生!見て見てこの可愛い女の子!びっくりだよ昨日急にやって来て『あ、アンタなんか親が勝手に決めた許婚、それだけなんだからね!』って言いながら同居することになったんだよすごくない?これで僕もモテモテ鈍感男になれ(パァン!!うわー美少女が顔面潰れトマトにー!?!
「そんなものは要りません。高屋敷君と遊ぶのは私だけで十分です」
「あああ、これから始まる一大スペクタクルが。ハーレムエンドにひた走る男のロマンが」
「オタクのロマンの間違いでしょう?そんなことよりさっさとそれ捨ててきて下さいよ」
「いいよね安西先生は!美少女も使い捨て出来るよな生ける鬼畜ゲー主人公だもんね!」
「君となら純愛エンド目指してあげても良いですよ。ただし君が壊れるルートで」
「ゲームと現実を混同するな!」
「君に言われたくないですねえ」
「現実には決してありえない程の美形で金持ちで才能に溢れているチートキャラの安西先生には解らないんですー!義妹が二桁単位で出来たり空から女の子が降ってきたり幼馴染が朝起こしてくれたりなんて宝くじ当たるよりもずっとずっとレアなことなんだよ?!そのチャンスを潰すだなんて…この人非人!!」
「君だって、現実にはありえない程のショタキャラのくせに」
「もうこの際死体でもいい!僕の!僕の許婚ツンデレキャラ!!」
「た、高屋敷君が世間的に拙い属性に目覚めるなんて…恐ろしい、これが現代日本の闇二次元恋人なのですね」
「アニメ絵!アニメ絵!変な髪の毛の色!アホ毛!小さい口と鼻にでかい目!社会不適応なドジ!」
「私だったらそんな恋人嫌ですけど」
「っていうかたぶん愛の力とかで生き返るし!涙の一滴が落ちた瞬間にあったかい光と共に目を開けるし!」
「首から上が吹き飛んでいるのに目を開けるのですか?」
「さっきからうるさいなー!!興ざめだよちょっと静かにしてくれない?起きる奇跡も起きないじゃない」
「起きませんよ奇跡なんて。目を覚ましなさい」
「うるせーギャルゲーの主人公みたいな髪形しやがって!!」
「なっ…君こそ男の娘のくせして生意気なんですよ!乳房吸引でもしてなさい!」
「殺すぞー!!」
「ほほうやって御覧なさい?その細腕で何が出来るっていうんですかねえ?」
「嫌い嫌い嫌い死ね死ね死ね安西先生なんか消え失せろ!!」
「…ふうん、そんなに私が気に入りませんか…」
「気に入るとでも思うわけ?男は要らんから女の子ー!」
「良いでしょう、君がそう願うならば可愛くてロリロリでぷにーでふわーで萌えーな少女を用意してあげます!吠え面かくんじゃありませんよ!(ガララバシャン!)」
「あ…やばいちょっと言い過ぎたかな……なんだかんだ言って僕も安西先生の財布がないと終日遊んでらんない身だしなー」

ガララ

「おーにーいーちゃん☆」
「まークッキーでも作ったらどーせすぐ機嫌直す…ってうわーすご!さっきの幼馴染よりもアニメから抜け出てきたような美少女!っていうか羽とか猫耳とか尻尾まで!?」
「えっへへー、可愛いかなっ?お兄ちゃんに可愛いって言って欲しくて、ボクいっしょけんめいおしゃれしたんだよぉ?きゃぴん☆」
「…うん、可愛い…可愛いけどなんか……」
「どぉしたのぉお兄ちゃーん?」
「なんかすっごいイラッっとする!!セリフに妙に小文字が多いし一人称はボクだし赤に他人にお兄ちゃんとかあざと過ぎるしそれよりなによりなんだよ『きゃぴん』ってぶん殴るぞ!!」
「そんなぁ、ひっどーいお兄ちゃんたらー!お兄ちゃんはこんな女の子が好きって言ったから先生キャラ設定にテコ入れしたんですよ」
「え?」
「あ、間違えました。…もうお兄ちゃんったら照れ屋さんなんだもんね、ボクのこと好きなくせにい☆ねー今週の日曜日に遊園地行こうよ!ボクね、メリーゴーランドさんにお兄ちゃんと一緒に乗りたいなーなんて!きゃはっ言っちゃったー☆」
「いや、ちょ、安西先生!?アンタ安西先生なの?!ねえ!!」
「もうお兄ちゃんてば、ボクのことはサトミって呼んでっていってるじゃない☆お兄ちゃんだけだよ、呼び捨てにしていいのっ…きゃーまた言っちゃったぁー☆」
「キモ!!ごめんなさい謝るから戻って!前の方がいい!僕前の先生の方がいいよー!!」
「うっさいよお兄ちゃんっ☆お兄ちゃんがこうしろって言ったんだから最低一週間はこのまんまなんだよっ☆大体自分も似たようなキャラ設定のくせに他人には気持ち悪いとか言うに事欠いてって感じだよぉ、お兄ちゃんのばかばか☆じーっくり反省してもらうんだからねぇ?きゃぴるんっ☆」
いやああああああ!!!

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