「おや高屋敷君、おはよう御座います」
「あ、おはよーございます安西先生。教授も学生と同じ日に身体測定するの?」
「私達は健康診断と言った方が正しいですけれどねえ。…ん?」
「え?」
「今何か隠しませんでしたか」
「え、別に」
「…あ、検尿ですね?隠すこと無いじゃありませんか、小学生じゃあるまいし」
「アンタが小学生以下の嫌がらせをしてくると思ったからだよ!って言うかわざわざ言い当てなくていいし!変態!」
「いくら私でもいきなり奪い取って飲んだりしませんよ」
「なに言ってんの?!それやったらホントに変態だよスカトロジストだよ」
「違います。奪い取るのは犯罪者です。変態紳士は礼儀正しく分けて頂けるか確認してお礼と引き換えに頂戴し、持ち帰って真剣に味わうのが真のスカトロジストです」
「待って、ちょっと待って、まさか安西先生それ実体験に基づいてんの?」
「はい」
「あ、そう。じゃあさよならです。もう二度と話しかけるな。食糞で歯がボロボロになって物噛めなくなって死ね!!」
「いやですねえ勘違いですよ高屋敷君。実体験ではありますけれど、私が飲んだんじゃありません。お願いされた側ですよ」
「…で、あげたの?」
「内緒です☆」
「もういやああ!!文明の発達と共に人々の性癖が歪んでいくー!!」
「ははは。まあ可愛いものですよ?高屋敷君は小学生の頃好きな子の検尿を盗んだりしましたか?」
「いつまで生きてるんだろうこの男」
「君よりは長生きしますよ」
「あがががが死ぬ死ぬ首が吊り下げないでよはーずーれーるー!!」
「どうせ今年も自分の身長に絶望する可哀想な君の為に一ミリでも伸ばしてあげようという優しい優しい心遣いです」
「死ぬー!死んだら身長もなにもないー!!こーろーさーれーるーぅーー!!」
「はいはい、うるさい子ですねえ。下ろしてあげますから」
「いたた…首がー…首長族になっちゃうところじゃんかー…」
「伸びてると良いですね」
「割に合わない気もするけど…」
「もう一度吊るしましょうか?今度は検尿コップから溢れる程失禁するくらいに」
「嫌だよ!僕もう検尿提出しに行くからついて来ないで」
「いや、ついて行きます。高屋敷君のりんごジュースの色とかからかいたいので」
「小学生の嫌がらせやめろって言ってんだろ!!」
「では中学生の嫌がらせを…」
「は?」
「高屋敷君、尿に蛋白があると引っかかるんですよ?昨晩は忘れずにやりませんでし
死ねー!!!糖尿になって手足腐れ落ちて死ねー!!」
「糖尿?そういえば、糖尿という病気を診断した世界始めての検査法を知っていますか?」
「知らないけど」
「飲んだのですよ。と言う訳で高屋敷君、飲んで下さい」
「なに差し出してんだよ死ねよ飲ませるとか飲むよりタチ悪いわ!」
「なっ、飲まないだなんてなんと酷い…先生が糖尿で死んでも良いのですか?!」
「喜んで死を願ってるよ!!変態紳士にでも売ればいいじゃん変態同士でヨロシクやってろ!!」
「その変態紳士はスカトロで身を滅ぼし今では荼毘に付しました。焼いた時はちょっとした異臭騒ぎだったそうですよ。と言うわけで会長君、はい」
『はい、安西先生。頂きます』
えええええ!!?!?
「御覧なさい高屋敷君、流石会長君ですねえ」
「うわあああ?!ああああ!!聖水か!?女王様か教祖様か?!!どっちにしろ目を覚ましてやめて生徒会長ー!!」
『ご馳走様でした、安西先生』
「飲み干したー!!」
「どうでした?会長君」
『はい、大変甘いと言えますものでした』
「嫌に冷静で怖い!!せめてもっと変態的な言動をしていてくれさえすればもう少し気は楽だったのに!!」
「ふうん?では、君の見立てでは私は医者に行くべきですか?」
『いえ、その必要はないかと』
「え?なんで?」
「それはどうしてでしょう?」
『リンゴジュースが甘い件では医者に行くべきだとは思えません』
「え」
「そうですよねえ、リンゴジュースが甘いことでお医者様にかかったらおかしいですよねぇ」
「だ…騙したなー!?ばかー!安西先生も会長もだいっ嫌いー!!」
『俺は騙すつもりじゃなかったんだけどね』
「あはははは。高屋敷君ったら、騙される方がおかしいんですよ?いくらなんでもみだりに尿を飲ませる訳ないじゃないですか」
「だって、だってあの流れだったら……もー!もー!ばかー!!」
「はいはい、ごめんなさい」
『ごめんよ、高屋敷君』
「もう!びっくりしたんだからね?安西先生はともかくー、会長までああいうことしないでよね。会長だったら安西先生の健康の為に飲尿くらいやりそうなんだもん、僕本気で信じかけたんだからー」
「まあ頼めばやってくれるでしょうね」
『はい、安西先生。お望みでしたら』
「そうです、今からでも飲んで貰いましょうか。それなら騙したことになりませんものねえ」
『はい、安西先生。仰る通りに』
いややらなくていいから!!






『因みに俺はリンゴジュースを飲むことでも、安西先生の健康状態を判断出来るよ』
「原理がわからない!!」

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