…ポ ポ ピ………プルルルルル プルルルルル…


「もしもし?」

「ああ高屋敷君、私です

「そりゃ着信表示みたら安西センセだってのはわかるけど。それよりなんか用?僕大学も始まったし履修登録で忙しいんですけどー」

 大したことではないのですよ。すぐに済みます。……どちらにせよ、ね

「う?」

 君も忙しいみたいですし、さっさと言ってしまいますか

「うん?」

 私が散々弄んでボロ雑巾の様に捨てたヤンデレ達が君の所に向かっているので、逃げた方が良いと伝えたくて

「酷い下種野郎の恋人にでも思われたのかと思うとゲロが出そうだなあ」

 君らしくも無い

「僕だっていつもいつもショタやってらんないよ」

 それはそれは。まあ、そんなことより早い所逃げた方が良いと思いますが?

「言われなくてもわかってるし。もう光の速さで身一つで逃げワギャアアアアアア!!?!

 ほら、無駄口叩いているから…

「いぎゃああああ離せ離せ僕は関係な…あげぎへえええぇぇぇーーーーっっ!!!」

 凄い悲鳴ですねえ、私でもそこまでの悲鳴を上げさせられるかどうか

「助けろ!助けろ!自分のせいだろ責任とって助け助け助けげげげげげげげげ!!!」

 大丈夫ですよ高屋敷君、初めに言っておいたでしょう?

「いぎいいぃ!!あげべへぇ!な゛!な゛におお゛お゛お゛ぉぉぉ!!?」

 すぐに済みますから、大丈夫。その苦痛もすぐに済んで永遠の安息へ迎えますよ

「死ぬんじゃん!!いやああ!!いぎゃあああああああ!!!」

 さて、私の用件もこれで終わりです。こちらもすぐ済みましたでしょう?それじゃあ高屋敷君、さようなら☆」





おなかを裂かれて内臓を引き摺り出された

見るも無残な僕の死体が

安西先生のマンションの前に投げ捨てられたのは

先生に電話を切られてすぐのこと

他の誰かに見付かる前に

すぐさま安西先生が僕を拾って

自分の部屋に帰ってすぐベランダに吊るした

春の日差しに僕の体はすぐ腐り始め

腐った体はすぐにカラスに啄ばまれ

すぐに綺麗な骨だけになった

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