十三日の金曜日でもないのに

ジェイソンマスクを被って

チェーンソーを唸らせた

安西先生に追いかけられました


大っ嫌い


「いやーいやーなんなのなんなのなにかしたの僕がー!!?」
「バラバラ殺人事件ですよ高屋敷君」
「なに急に物騒なこと言ってんの?」
「君が被害者になる殺人事件の話です」
「チェーンソー持たないでチェーンソー!!やめて!!」
「最近はガソリンも安くなりましたので、チェーンソーを景気良く回らせられますね」
「金持ってるくせに。じゃなくてやめてやめて!最近雪積もってるし死体を埋める穴掘るの大変だよ!ね?!」
「だからバラバラにして小さな穴で済むようにするのです」
「あー回さないで回さないで落ち着いて!」
「私はいつでも冷静沈着ですよ。だから死体処理は任せて下さいね」
「任せられねー!!来るなー!!」
「何故嫌がるのです高屋敷君?先生はこんなにやる気が満々だというのに」
「振り回さないで振り回さないでうわあ追いかけてくるなぁー!!いやいやいやぁー!!なんで僕ばっかりこんな目にあうのもういやぁー!!」
「ははは、待ちなさいと言っても待ってくれる訳ありませんがそれでも言いましょう、待ちなさい高屋敷君。このチェーンソーの可哀想な餌食にしてあげますよ☆」
「来るな!マスクの下から地獄から響いてくるような声を出すな!!」
「あー、確かにこれ暑っ苦しいんですよねえ。外しましょうか」
「外すなー!!惨忍すぎる笑顔が見えるようになるから外すなー!」
「高屋敷君たら、そんな大声を出して走っては直ぐに息切れになりますよ?もう少し粘って逃げて貰いたいのでねえ〜」
「うわぁーん!!誰かー!!警察屋さん呼んでよー!」
「何を言うのです、スプラッタホラーで警察がやって来るのは全ての事が終わったあと。若しくは来ても返り討ちに遭うだけですよ…っと!」
「ひぎゃあ!?!」
「はは、外れましたか。君は小さくて狙いずらいですねえ?おまけにすばしこいし」
「あ、あわわわ…!」
「…と思いましたが、腰が抜けてしまったみたいですね」
「た、す、助け…許して……」
「んー、フルフル震えて全く子羊そっくりです。さて子羊を祭壇の生贄に捧げるとしましょうか…何処から切り落としましょう?何処が良いですか?」
「いやいや助けてゆるしてごめんなさいごめんなさいなんでもするからお願い殺さないで!!」
「駄目ですよ高屋敷君。スプラッタホラーで命乞いが聞き入れられるなどあってはならないのです。それはお約束なんですよ」
「知らないよスプラッタなんて僕見ないもん!もういやあ!なんで死ななくちゃいけないの理不尽なのー!!」
「何でって…チェーンソーで」
「凶器を聞いてるんじゃない!動機を聞いてるの!」
「暇潰し」
「死んでも死に切れねー!!」
「この私の暇潰しになれるなんて君は本当に幸福な人間ですよ。取り敢えず右耳を削いであげましょうか?大丈夫ですよ、先生結構器用ですからチェーンソーでも耳削ぎ鼻削ぎ皮そぎお手の物です」
「う、うう…」
「ん?」
「うわあーん!!あーん!!ふあぁーーん!!」
「…おや…泣かせちゃいましたか」
「ふぇーん!…ひぐ、うあーん!うえぇー…」
「よしよし、良い子だから泣かないで下さいな高屋敷君?ちょっと苛め過ぎましたかねえ…」
「も、や…きらいー……ひっく…ひんっ…」
「困りましたね。ほら、鼻ちーんなさい?」
「ふげ…」
「良い子良い子…さあいらっしゃい、抱っこしてあげますよ」
「いらん!ばーか!ばーか!殺人鬼!!」
「褒めてくれてありがとう御座います」
「うわーん!!」
「ああ可愛い、これで今年の君もそろそろ虐め納めですね。来年も宜しくお願いしますよ」
「僕はよろしくしたくないですー!はーなーせー!!」
「放しても良いですけれど、代わりに殺しますが?」
「…」
「そうそう、大人しい良い子が先生大好きです。さあ地下室でいっぱい遊びましょうねえ、高屋敷君☆」
「うわぁーん殺人鬼が!殺人鬼がぁー!!」

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