がらら

「こんにちわ安西先生ー」
「…」
「ちょっとー！なんで無視なの？！あいさつしない人はダメ人間なんだよ！」
「……こんにちは」
「そうそう、それでいいの。…なんで口に手ー当ててるの？」
「……」
「センセー？ねーどうしたのったらぁ！」
「……っ…」
「え？今なんか言った？」
「…言ってません。帰って下さい」
「なんで？」
「仕事の……邪魔なんですよ」
「仕事してないじゃん」
「これから、始めます…」
「うー？なんかセンセさっきから変じゃない？口籠もってるって言うかー、苦しそうって言うかー」
「良いから帰って下さいったら…本当に、もう…」
「むぅ、なーんか納得いかないけど…そんなに言うなら帰ったげる」
「それはどうも」
「じゃあね安西先生。また明日」
「…ひっく」
「ふえ？」
「！………くっ…」
「あ…あれーセンセしゃっくり出ちゃってるの？！だからさっきから喋んなかったんだ？恥ずかしかったの？かわいーセンセ！なでなでしたげるー♪（メゴキャ！！）あぶぐへぇっ！？！」
「だから帰れと言っていたのに……っく…これだから馬鹿は嫌いですよ。…ひくっ」
「いたたたた…一瞬首が真後ろ向いたよぅ…でもしゃっくりしながらだと全然恐くないねセンセ」
「ああそうですか。もう良いです、バレてしまっては仕方がない…君も何とか止めるのを手伝って下さいな」
「えー、えーとね…あ、思い出した！」
「何ですか…ひッく」
「んとねー深呼吸するの。スゥーっていっぱいまで吸ってーハァーっていっぱいまで吐くの！やってみて？さんはいっ」
「……スゥーッくげほげほごほっ！！」
「あ、あれー？！大丈夫大丈夫安西先生！？噎せたの？しっかりして先生死なないで！」
「けほ…っ…………何て、恐ろしいことを、させるのですか、君は…っ」
「あれーあれーダメだった？僕頑張って思い出した対処法だったんだけどなー」
「吸っている最中にしゃっくりが出て鼓膜が破れそうになりましたよ。…ひくっ…おまけに全然止まりません」
「ごめんなさい…」
「全然駄目です。全然駄目ですね。他には対処法が無いのですか」
「二回言わなくてもいいじゃんか…知らないよぅ、僕しゃっくり博士じゃないもん」
「っっく…博士になれとまでは頼んでいませんが、やはり君なんかを頼った私が馬鹿だったようですね」
「ごめんったらぁ」
「もう良いです、こんな時の為に昔からよく使う対処法がありますし。そっちで何とかしますよ」
「なんだあるんじゃない。なにー？」
「キスしてもらうんですよ」
「…はい？」
「それも歯を一本一本舐めさすり上顎を磨き上げ喉奥まで突き込み舌を吸い上げねぶり回す最高にねっとりしたやつです。…ひっく」
「なななななムリムリ！僕出来ないよそんなのー！！」
「はん、ガキの君に期待なんかしてはいませんよ。全く役に立たないこと…っく、甚だしい」
「え…じゃあ…」
「君はもう帰りなさい。私もちょっと寄ってから……ひっ…く、帰りますから」
「寄る？」
「だからしゃっくりを止めに行くんですよ。鍵締めてから帰りなさいね（ガララピシャン！）」

………

だ…

誰にして貰いに行ったのかな…？