「高屋敷君、何かを鷲掴んでウロウロしていると思ったら…ハムスターなんてどこから持ってきたのです」
「廊下歩いてたの」
「ふぅん…理学部から逃げたのですかねえ」
「可愛いからペットにしよーっと」
「やめなさい。何かの実験に使っていたかもしれないでしょう」
「だって別に変じゃないよ?」
「見掛けが普通でも変なものはどこにでも居ますよ」
「いーのー!この子は僕のペットー。僕んとこのアパートハムスタくらいのペットは可なんだもん」
「ペットがペットを飼うのですか」
「怒るよ?」
「これは失礼」
「かーわーいーいー♪名前なんにしよー?センセはなにがいいと思うー?」
「【食肉用】」
「はたくよ!?」
「冗談でしたのに」
「先生のセンスは最悪ですー!もっと可愛いやつじゃないとイヤ!!」
「可愛すぎて食べてしまいたくなるという意味を篭めて」
「後付け丸出し。食べられそうに無い奴じゃないと採用しないよ」
「何でも良いじゃないですか。【568番】とか」
「なんで番号なんだよ!囚人かよ!っていうか567番はあるの?!」
「え?君の番号じゃありませんか」
「はあ!?初耳!!え、なんの番号?!」
「…みかん食べます?」
「不自然に話をそらすなー!!なんの番号ー!!」
「まあまあ良いじゃありませんか。ところでそのハムは何て種類です?」
「わかんない。白いけどパールホワイトかな?でも実験に使うような奴だし、雑種じゃない?」
「ミックスってやつですね。雑種は良いものですよ」
「そうなの?センセは富豪だし血統書大スキかと思ってた」
「愛さえあればそんなもの」
「あーじゃあシェイクちゃんにしよう!ミックスジュースって感じでいいよね」
「マックっぽいですけど」
「僕がいいって思ったんだからいいの!!」
「はいはい、可愛い名前ですねえ。…ところで高屋敷君、お腹が空いてませんか?」
「う?そういえばちょっと空いてきたかも」
「もう七時近いですしねぇ…そろそろご飯にしましょうか」
「あ。僕親子丼食べたいな!」
「親子丼?」
「うん、今日の朝旅番組でどっかのお店のすっごいおいしい親子丼紹介してたの。食ーべたーいな〜♪」
「親子丼…成る程、親子丼ですか…」
「あはー、センセも食べたくなってきた?食べに行こうよー」
「ねえ高屋敷君、他人丼って知ってます?」
「ほえ?」
「豚肉と卵で作った親子丼。それを他人丼と呼ぶのです…丼物は何でもやって良いのですよね…ふむ、ならば…」
「…なに、なに、なんでそんな思い付いちゃった顔するの…?」
「決めました、今日の晩御飯は飼い主とペット丼にします☆」
「ぎゃああああああああああ!!!」


 BACK