「…安西先生?」
「…はい」
「こんにちわ」
「こんにちは」
「あのね、図書館にいるのはいいけどね、ソファーをベッドにして占領するのはよくないよ」
「反省しようと思います。それにしても、図書館は規則が一杯ですね」
「そうだね、ここも談話室だから話してもいいけど、それ以外の図書館内は一切の音を発する行為を禁止しています」
「例外として、教授が生徒を連れている場合のみ必要最低限の会話を許可する。…まあ、私はその権利を過剰に行使してますけど」
「教授だからってなにしてもいいわけじゃないよ。規則には従わなきゃ」
「君は規則が好きですねえ…風紀委員長にでもなれば良い」
「いや大学に風紀委員はないです。僕大学生だよ?今日も冬休み課題のレポート資料探しに来てんだし」
「ふうん…ああ、暇ですね。暇ついでに君の規則大好き精神に則って図書館内の治安でも守りに行きますか」
「はえ?」
「はい、高屋敷君の分です」
「釘バット?!なにに使うの!?」
「私は君と違って力があるので、これにしましょうかねえ」
「チェーンソー?!ねえなにに使うの!!ねえ!!」
「あ、駄目ですね。これは音が出てしまいます。ということは銃もいけませんから…日本刀が最適ですか」
「なにに使うの!なにをするの!」
「さあ行きましょう高屋敷君。図書館内の秩序を乱す輩を規則の名において成敗と排斥しに☆」
「うわあああやっぱりー!!」


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「…ふむ、だいぶ規則違反者は減ったようですねえ」
「…血臭が…この騒ぎにも拘らず平然と居る利用者はなんなの…」
「となるともう厳粛する対象がいなくなってしまいましたね」
「うん。だからもう止めて帰ろ…
「ではもっとルールを厳しくしましょう。そうですね、図書館内で寝る人間はぶっ殺すなんてどうでしょう?さあ違反者狩りを続けましょうね高屋敷君!」
「あああ目的のための手段が手段のための目的になってる!!いやああもう惨劇の見届け人になるのは嫌あーーー!!」


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「…誰も居なくなってしまいましたねえ高屋敷君…」
「うう、安西先生がとんでもない量の規則を定めたからね…もう司書さんすら殺してたもんね先生は…」
「…あー…高屋敷君…」
「え…?」
「新しい規則です。【図書館内で高屋敷君は生きていてはならない】☆」
「だから手段を目的にするなってそんなにいい加減な規則を作るなぎゃああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!


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