「♪あーいしーてるーからー我儘にーなってくー がーんじーがらーめにー縛りーたいYou're Heart…!」
「愛じゃないー!これは愛じゃないです縄ほーどーけぇーー!」
「愛ですよ愛。可愛い生徒を思う教師愛です」
「教師愛が生徒をぐるぐる巻きにしてペディグリーチャムとジャスミン茶しか接種させないことなのか?!って言うかなんなんだこの献立はー!!」
「だってペディグリーチャムは強くて健康な犬を造るそうですし、ジャスミン茶はそればかり飲んでいると体臭がジャスミンになるそうですよ」
「色々間違えてる!あーもーとにかく縄ほどけー!」
「駄目ですよ。だってこれから君を関節毎にぶった切る作業に入るのですから、逃がす訳には行きません」
「…へ?」
「糸を付けて操り人形にして遊びたいのです。どんなお洋服を着せてあげましょう、やはり王道のピエロですかねえ?」
「あ…あ…助け…け、警察…」
「何でバラバラに切りましょうか?枝切鋏?斧?屶?それとも糸鋸、電気メス…ああ楽しい、玩具は一から自分で作るに限ります」
「いやあぁ日曜大工でもやって満足してればいいのにぶふっ!?!」

ドン!ゴロロドスドサン!ガダン!!…ゴド

「…ふむ、たまには手刀も悪くありませんでしたねぇ。…しかし…ああ、ああ、スーツが血塗れです…エプロンが要りそうですね。少し待っていて下さいな、高屋敷君」



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「もしもし、そこ行くお兄さん?良ければ人形劇を見ていきませんか。お代は見ての帰りで構いませんよ」
『…貴方は、安西先生では御座いませんでしょうか?』
「おや、もうバレてしまいました。変装までしたのに詰まりませんねえ」
『申し訳ありません、安西先生。しかし、やはりそうでらっしゃいましたか。こんな公園でどうなさったのですか』
「見ての通り、言っての通り、人形劇のお披露目ですよ」
『人形とは、傍らに座らせている高屋敷君の亡骸のことでしょうか』
「亡骸じゃありません、可愛い操り人形君です」
『そうでしたか。失礼致しました、安西先生。しかし今日は一段と冷えますので、このような場所に居られては風邪を召されてしまいます。ここから大学まで数分ですから参りましょう。俺も御供致します』
「人形劇は?」
『大学内で是非とも拝見させて頂きます』
「ふうん、なら良いですよ。行きましょうか会長君」
『はい、安西先生』



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「…やれやれ、雪のせいか随分時間が掛かりましたね…会長君、そこに掛けなさい」
『申し訳ありませんでした、安西先生。お言葉に甘えて』
「ふう…っと。ああ、何だかもう動くのが面倒です…ねえ会長君、君操り人形って扱えます?」
『誓って申しますが、今まで操り人形のすべを学んできませんでした事を初めて後悔しております』
「良いですよ。君にも出来ないことがあるんですねえ、何だか嬉しくなりました」
『お喜び頂けて幸いです』
「…操り手がいなければ、あれはただの変な形の人形…ガラクタですね」
『その通りかと』
「じゃあ要りません。会長君、捨ててきて下さい」
『はい、安西先生。仰る通りに』





僕はバラバラのままゴミ捨て場に転がってる

全く操る方ったら

操る気がなくなれば放り出して

操られる方のその後がどうなるかなんて

全然知ったこっちゃないんだから

こんなだから政治は上手くいかないんだよ

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