「…高屋敷君、何してるんですか?」
「釘打ってる」
「何に?」
「ワラ人形」
「顔の所に貼ってある写真は誰が写ってるんですか?」
「安西聡美」
「ふふ」
「BGMは山崎ハコの【呪い】」
「辛気臭い曲ですねぇ。…で、効果の程は?」
「…ないみたい」
「あはは。大体君が人を呪うなんて出来っこありませんよ」
「納豆のワラ使ったから?」
「ああ、何故傍らに納豆の小鉢があるのかと思ったら…食べても良いですか?昼がまだ済んでいないのです」
「ダメ。健康になられたらムカつくから」
「それは残念。では寿命の縮むカップ麺でも食べるとしましょう」
「僕の分は?」
「ん?お昼食べてないのですか?」
「食べてない」
「じゃあ一緒に食べましょう。二つ買ってきて良かったです」
「うん」
「ところで高屋敷君、この君の体重から割り出した致死量ギリギリの睡眠薬をカップ麺に混ぜて死に近い程の深い睡眠の中何をされてもどんなに淫猥なことをされても決して拒まない眠り人形になりませんか?」
「殺すぞてめえ!!」
「あはは。殺せるものなら」
「やめろ異常者!ふざけんなよ頭おかしいんじゃないの?!気持ち悪い、こんなんで人のこと縛ろうとか絶対狂ってる。死ね、死ね、死んじゃえあんたなんか死んじゃえばいいんだ!!」
「…おやおや、可愛い声で酷いことを言う…」
「気持ち悪い…人傷付けて喜ぶなんて最低。人間じゃない、クズ、クズ、気持ち悪い、死ね、死ね、死ね、死ね!!」
「ああ、ああ、悲しいことを言わないで下さいな高屋敷君…なんていけないお口でしょう?」
「悲しい?悲しい?自分は人に酷いことしてるのに、悲しい?最低だね、本当に最低。気持ち悪いから触らないで」
「本当に悪いお口です。でも大丈夫ですよ高屋敷君、その悪い口さえなくなってしまえば、きっといい子に戻れますからね…!」
「んうぅぐっっ!?!ぐっぎがぁっ…ぎごおおおぉおおぉぉーーーーー!!?!ブチ、ブチィッ!!ゴリゴキゴキン!!ブチブチブチブチブチブチュドグチャッッ!!)」
「取れた取れた…顎から上を貰いましたよ高屋敷君?これでもう君は良い子に戻れました、本当に良かったですね?」
「…言い訳あるかー…返せ!顎がないとカップ麺食べれない!もうすぐ三分経つのに!」
「どうして話せているのでしょう?まあ君の言うことももっともです。返してあげますね」
「返せ!…よいしょっと。最近僕も安西先生に似てきた気がする」
「はい君の分。熱いから気を付けて下さい」
「熱い!」
「今言ったのに」
「でもおいしい。これ高い奴でしょ?高いとカップ麺でもおいしいね」
「そうですね。本当はどこか店で食べようと思っていたのですが、こう寒くては外に出たくありませんからねえ」
「購買で買ったのこれ?」
「ええ。あ、そういえば高屋敷君、あの中に私の髪の毛入れたんですか?いけませんよ、増えてしまうじゃありませんか」




気付くとワラ人形は安西先生になっていて

完全に安西先生になっていて

僕に近付いてきたかと思うと

にっこり笑いながらカップ麺を取り上げて

今、二人仲良く啜ってます


僕の分は?

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