「ぎゃーーーーーーーーーーーー!!」
「冒頭から良い悲鳴ですね高屋敷君」
「うわーんまた両手足を切断された!猟奇!安西先生にとってはいらなくても僕にとっては凄く大事なものなのにー!」
「嫌ですね、違いますよ。私にとっても君の手足は大事なものです」
「じゃあなんで…」
「ふふ、可愛い手足ですねえ…華奢でか細いけれど柔らかくてしなやかで、さあお洋服を着せてあげなければいけません、赤と白の横縞ニーハイと赤いエナメル靴にしましょうか?ピンクのマネキュアを塗りましょうか?」
「江戸川乱歩ー!!」
「ああすべすべしていてふくらはぎはふっくらしてまるで焼きたてのパンみたいに柔らかです。足の裏も今まで地面を踏んだことが無いみたいに滑らかですし、この肌に浮かぶ青い静脈…キスをしてあげましょう。まだ子供のくせにこんな脚線美をして、いやらしい子ですねえ香織さん」
「あああ名前が付いちゃった!完全に僕のじゃなくなった!あとなにその刃物に女性の名前を付けてコレクションする犯罪者センス!?」
「おやおや喧嘩をしてはいけませんよ?吉野さんに希実さん、勿論彩香さんにも平等に愛をあげますとも」
「ひいっ!?ううううごッ!動いて!?」
「ん?ああ、だってただ切り離しただけではそのうち腐ってしまうじゃありませんか。ですので、これだけでも生きていけるようにそれなりにアレを施しましたよ」
「なに?!」
「内緒です☆…さてと、まあ可愛がるのは後にするとして…邪魔者には消えてもらいませんとねえ」
「え?」
「さあ皆で協力して片付けてくれますね?お掃除好きな娘が私の好みなんですよ」
「え…え…待って、ま…ぐうぃっ!!?」
僕のものだった二本の脚が僕を踏みつけて
僕のものだった二本の腕が僕の首を絞める
僕だってとても大事に思ってたのに
なんで安西先生に負けちゃうの?
僕は悲しくなりながら
自分の手足に殺された
|