「安西先生安西先生、僕ロボットが欲しいな!」
「おや高屋敷君、偶には君も男の子らしいことを言うのですねえ。まあガキなのは変わりませんけれど」
「ロボットロボットー!!ロボット作ってぇー!!動く奴!自分で歩いたりするの!そんで喋ったりもしてビームとか出してカッコいいやつ!!」
「ははあ、美少女ロボットと言われるよりはマシですけれど、これはまた面倒な物を欲しがりますね。アシモとかじゃいけませんか?」
「アシモはレーザーなんて出ないじゃない。それにーもっと滑らかに動く奴じゃなきゃカッコよくないよ!」
「そう言われましても、まだロボット産業はそこまで発達していないのですよ。レーザーだって工業的なものですしね」
「何の為の金持ちなの安西先生は?!お金と権力に物を言わせてロボット作ってー!!」
「とんでもなく薄汚れてきましたね君も…後で洗の、いや躾し直さなければ」
「ねえ作ってくれるのくれないの?」
「…んー……ああ、良いですよ。直ぐに持ってきましょう」
「ホント!?やったぁありがと安西先生、スキスキ♪」
「ああそうですか。まあ兎に角少し待ってなさいな」
「はぁーい!」


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「…連れて来ましたよ高屋敷君。さあ君の欲しがっていたロボットです」
「わあ本当?!ロボットだロボ…ッ……ト………?」
「ロボットですよ」
「…人だ!!」
「何言ってるんですか、ロボットですったら。ほら自分で歩いて動いて喋りますよ」
『ロボット デス』
「カタコトにしても騙されないよ!って言うか外人じゃん!どこで拾ってきたの?!」
「違います、とてもよく出来た人間型ロボットです。アンドロイドです。ビームも出ます」
「え?…ビーム出るの?」
「出ますとも。そら出しなさい、ロボット君?」
『   ム ムリ(ドグチャ!!ゲボブフッッ!!
「ロボットの分際で使い主に刃向かうとは良い度胸です。分解して螺子釘の鉄屑に戻しますよ?」
「肉の潰れた音がしたよ!?血が出てるよ!!」
「表装の特殊シリコンが立てた音です。赤いのはオイルです。ビームはちょっと調子が悪いみたいです」
「こっち見て言って!!目も据わってるし!もういいよ僕ロボット要らないからこの人自由にしてあげて?!」
「人?人等何処に居るのです?ここに落ちているのはロボットです。物です。壊しても器物破損の罪状しか受けることの無い道具です」
「金持ち特有の人命を何とも思ってない目で話さないで!?怖い!怖いよ!!血の通った人間の目とは思えないよ!!」
「先生は真っ赤な血の通った人間です。ここに落ちて真っ赤な血、ではなく、オイルを垂れ流しているのがロボットです。何だかもう動かなくなってきたので処分しようと思います」
「やめて!人間だから!まだ生きてるから!!」
「使えないロボットを持ってきてしまいすみませんでした、高屋敷君。次に持ってくるのはもっと頑丈でちゃんとビームの出るロボットにしますからね」
もういいから!!もういいからー!!!

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