昨日作りすぎた晩御飯を

今日安西先生にお弁当であげたら

そのままゴミ箱に捨てられたので

僕はブチ切れました


ぶっ殺すぞこの冷血漢!!
「こっちの台詞ですよ汚物製造機が!こんな紙屑みたいなものが食べられますか、私はゲテ食 いですけど食べ物までゲテ食いじゃないんですよ!」
「そう思っても行動するな!口に出すな!どうせこれが女の子だったらにっこり笑って受け取 ってから家で処分するくせにドンファン野朗!死ね!!」
「何で君に気を使わなくちゃいけないのですか舐めてるんですか」
「人によって態度変えんじゃねえよー!!」
「君こそキャラ変えるんじゃありませんよ!」
「うるさい死ね死ね死ねっ!食えっ!!」
「ゴミ箱に捨てたものを食えと言うのですか君は」
「そうだよ食べろ!食べ物に対して謝罪しろ!」
「食べ物…?あれのどこが食べ物なんですか!?」
「キレることないじゃん!!」
「切れますよ!君こそ食べ物に対して謝罪したらどうなんですか?」
「練習してるの!無駄に捨ててる訳じゃないの!!」
「これを食べ物と認識していることに対して謝れと言っているんです」
「悪かったな紙屑でー!!もういい帰るー!!」
「ええ、ええ、帰りなさいな。塩撒いてあげますよ」
「ばーかばーか!二度と来ないからなこんなところ!!」


ガララピシャン!!


ガララバシャーン!!


「何帰ってんですかこのクソガキが!」
「はあー!!?」
「帰れって言われて帰ってたら何も始まらないんですよそんなことも解りませんか足りない脳 味噌ですねえ抉りますよ?」
「バカじゃないの先生バカじゃないの?じゃあどうしろってんだよ帰れって言ったんだから言 うこと聞いてやってんじゃんか大っ嫌いそういう大人、理不尽!!」
「私だって嫌いですよ、ああ嫌だ君のお陰で嫌な大人になってしまいました」
「あーイライラする!」
「こっちの台詞です」
「それこそこっちの台詞だアホォ!!」


『…廊下で騒いでいる人間がいると学生から連絡がありましたが、お二人のことでしたか』


「会長君…」
「あ!会長だ!聞いてよ会長安西先生が酷いんだよ!?」
「違いますよ会長君、この子が馬鹿なんです。だって湯葉を乾燥したまま料理に使うのですよ ?」
「創作料理のなにが悪いのさ!」
「美味しくてこその創作料理です。基本すら出来ない人間が料理人ぶるんじゃありませんよパ スタに練りこまれたいのですか」
『落ち着いて下さい、安西先生。高屋敷君に料理を作らせるとは余りに酷です』
「会長フォローになってない!フォローしてないそれ!」
「私が作らせたんじゃありません、高屋敷君が勝手に作ってきたのですよ。大体自炊は良いで すが、自分のクソ不味い飯に慣れてきて不味い料理が更に不味くなってきて不愉快千万なんで す。臭いを嗅いだだけで頭痛がしてきました」
「不味い不味い言うな!」
『それは危険です、安西先生。さあどうぞこちらに。直ぐに医者に見せなければ』
「アンタも大概酷いな!なんだよ僕のごはんは匂いが毒かよ?!青酸カリだって嗅いでも死な ねえよ!」
「そうですね、早いところ病院に行った方が良いかも知れません…何だか頭痛だけでなく手も 震えてきたような……ゲホゴッ!?」
「へ!?」
『!』
「……馬鹿な…河豚の肝をバケツ一杯食べても死なないこの私が…?」
「いやー!!ウソウソ吐血とかウソ付けー!!」
『一刻もなりません、失礼します!』
「え?あ、会長?!センセをどこに担いでくの!?ホントに病院?…ウソだウソウソドッキリ だって言ってよー!!」



―――――――――――――――



「…ごめんね安西先生」
「…良いのですよ、君が悪気を持って作ったのではないと、解ってはいたのです」
「でも…」
「酷い事をしてすみませんでした…言い訳を許して貰えるなら、本能的な直感で身体が動いて しまって…」
「いいの、僕が悪かったの。入院までさせちゃって」
「気にしないで下さい、半年もすれば退院出来ると言われましたしね」
「…」
「さ、もう面会時間が終わりますよ。暗くなる前に帰りなさいな?」
「……うん、また来るね。次はクッキー焼いてきてあげるから」
「それは楽しみです…」
「じゃあね…また来るからね、安西先生」


…パタン


『高屋敷君』
「あ…生徒会長」
『気を落とさなくていいよ、誰も君を責めたりしないから』
「うん…」
『安西先生も怒っていなかったんだろう?』
「そうだけど…あ、会長はセンセに会わなくていいの?」
『うん、いいんだ。それに俺は仕事があるからね』
「仕事?」
『安西先生に害を及ぼす可能性が一つでもあるなら…俺はそれを排除しないといけない』
「え…?」
『ごめんよ高屋敷君。安西先生には、君が料理修行の旅に出たと言っておこう』
「いや、それ違…死出の旅路になりそうですってあっぎゃあああああああーーーーー !!!

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