「…高屋敷君」
僕はついコンビニに立ち寄って ついつい立ち読みしちゃって 出た頃には日が完璧に落ちていた
さっきから一つ多い足音は すごく怖いからやめて欲しい 「…ねえ!」 「」 「ねえ、安西先生でしょう?」 「」 「なんだってのささっきから…その微妙な距離保って着いてくるのやめてくんない?」 「」 「…心配してくれてるの?」 「」 「大丈夫だよ、ここ街灯無いし人通りないけど、パトカー巡回してるから」 「」 「だからさぁ、別にいいってば。ってゆーかそうやって無言で距離保たれながら着いてこ られる方が恐いし」 「」 「…ねー、聞いてるぅ?」 「」 「……」 「」 「もう!知んないですー」 「」 「…安西先生?」 「」 「さっきから、同じ所歩いてる気がしない?」 「」 「…家、この辺無いから、どこも一緒に見えるだけかなあ。…でも、今までこんなふうに 思ったことないのに」 「」 「………」 「」 「やっぱり変」 「」 「…ねえ安西先生」 「」 「なんか言ってよ!」 「」 「…」 「」 「…道、変える」 「」 「もうやだ、センセといるとなんでもない事も恐くなるんだもん」 「」 「こっちの道に行くから。着いてこないでよね!」 (コツ コツ コツ コツ コツ) 「」 「…?」
「あれ…」 「」 「あれ…あれ?どうして?」 「」 「…戻って来ちゃった?」
「ウソ…」 「」 「うそだ…なにこれ、おかしいよ、こんなの」 「」
そこは何度も通った細い路地 入口と出口に立った僕は 暗がりで立つ安西先生を見た そして 深く深く後悔をした
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