ガララ


「こんにちわー安西先…あ、電話中?」
「はははははよくもまあこの私にそんな事が出来たものですねえ?その無謀に免じて私のペットの犬の餌にしてあげますよ嬉しいでしょう嬉しいと言いなさいさあ言いなさいこのクズ肉が」
「…あのー」
「おや高屋敷君、ちょっと待っていて下さいね。…で、どうするんです?言うのですか言わないのですか?はあ?だから安西聡美の飼う犬の餌にして頂けて嬉しいです無上の喜びですバモイドオキ神様の御許に召されるよりも幸いです女神様と一億万回言うのかと聞いてるんですよ全く、そんな脳味噌じゃあ犬も食いませんね役立たず。では三日後に死体の貴方とお会いすることを楽しみにしていますよ、さようなら()」
「…」
「いやあお待たせしました高屋敷君。お昼を食べる約束でしたね、行きましょうか」
「誰に電話してたのセンセ…」
「え?ああ、客の一人ですけど、ちょっとオイタされたのでそれなりにアレをねえ」
「ああ、そう…食欲無くなっちゃったなあ」
「あ、三日後にハンバーグをご馳走してあげますよ」
「嫌だよ人肉ハンバーグ!封神演技かよ!あれ?っていうか飼ってる犬って僕のこと!?やめてよ嫌な脅し文句に僕を登場させないでよ!!」
「高屋敷君はキャンキャン吼えるのも可愛いですね」
「聞けー!!」
「ええと車の鍵は…と、さて何を食べましょうか?君の好きなもので良いですよ」
「いやだから食欲が…」
「君に食欲が無くて私に有る。ついでにこれ以上君がゴチャゴチャ言って私に出掛ける意欲が無くなったらどうなるでしょう?」
「食われる!!」
「大ピンポンです」
「食われる!!」
「ええ」
「食われる!!」
「はいはい、パニックにならず大人しくお食事しましょうねえ」


―――――――――――――――


「えっとねーなににしよっかなー♪」
「ファミレスで良かったのですか?もう少しまともな店でも…」
「お昼だもん、変な高級店なんかヤだよぅ。んとー僕オムライスにしよっと!それとチョコバナナパフェと、クリームソーダと、あとー」
「お腹を壊さないで下さいね」
「だいじょぶですようー♪えへへーセンセはなに食べるの?」
「メニュー全部」
「どっちがお腹壊すのさ!!ムリに決まってるからやめなよこの無駄金持ち!」
「お腹が空いてると言ったではありませんか」
「先生ってさ…全然食べなかったり異常に食べたりするよね…お腹どうなってるの?」
「さあ…?」
「…バケモノだ」
「まあまあ、早く頼んでしまいましょう。君ももうどれを頼むか決めましたね?ベルを押してしまいますよ」

―――――――――――――――

「…ホントに食べるのそれ…?」
「テーブルに乗り切りませんねえ」
「残したら僕怒るからね」
「残しませんよ、言ったでしょう?大変空腹なのです。それはもう、うっかり君すら食い殺しかねない」
「冷めないうちにそれ食べた方がいいんじゃない!!?すごく美味しそうだよちゃんと調理してあるしね!!」
「はあ、そうですねえ。ではハンバーグからにしましょうか」
「え…よく食べられるね、ハンバーグ…僕さっきの会話思い出してまた食欲消えてきた…」
「鉄板が良く焼けていますね、これなら君の顔面を押し付けて調理するのも出来なくはないかと…」
「出来ないよ!全然出来ない!!美味しそうだねハンバーグ早く食べた方がいいよ!!」
「君もお食べなさいな。昼休みが終わってしまいますよ」
「あ、うん。でも僕今日はもう講義無いんだー…あ、おいし。ミートソースっぽいケチャップライスっておいしいよね」
「それはそれは」
「もうちょっと関心持ってよ!…え?うわ…」
「ん?どうかしましたか高屋敷君?」
「食べるの早いね、センセ…キモい」
「だから、お腹が空いているのですったら。キモいキモいと失礼な子ですねえ」
「だってちょっと目離した隙にもうメニューの半分食べてるじゃん。どうなってんの?ブラックホールでも飲み込んだの?」
「美味しいですねこのストロベリーミルフィーユ」
「ああもうデザートの欄にまで!!」
「ファミレスの割には良いカプチーノです」
「飲み物欄まで!?怖いよホントに!!」
「という訳で、ご馳走様でした」
「僕がまだ半分もオムライスを食べてないのに!!」
「早くお食べなさいな高屋敷君。先生、それまで待ってあげますから」
「う、うん…でもゆっくり食べさせて…ちょっと食欲減退してて…」
「んー、ですが、出来るだけ早く食べて貰いたいですねぇ。早く胃の中にオムライスを入れてしまいなさい」
「え?…なんで?」
「…ねえ高屋敷君?私、今日は本当にお腹が空いているのですよ。本当に本当に空腹で、メニュー全て食べてしまってもまだ足りなくて…」
「…?」
「まだ足りなくて…だから、オムライスでお腹一杯になった君を、食べてしまおうと思うのですよ」
「ひっ…?!い、あぎゃあああああぁぁぁぁぁ!!!









「…あ、お会計お願いします」

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