就職指導室の扉を開けると

跪いてガクガク震えながらショットガンを自分の頭に向けて

発砲しようとしている安西先生がいました


なにしてるの安西センセー!?!
「ぐぅっ…!お、大声を出さないで下さいな高屋敷君…頭痛に響きます」
「頭痛がするからって脳ミソブチ撒いても根本的な解決じゃないよ、てか死ぬよ?」
「じゃあどうしろってんですかこのクソガキ…君にこの苦痛が解るんですかええ聞いているんですよ答えなさいウジムシめ」
「しっかりして先生首絞めないで苦しいのー!」
「止めてほしいなら代わりに私の頭を抱き締めなさい全力で」
「なんで?」
「良いから早く」
「あわわ…えっと、こう?」
「もう少し脳味噌のある辺りを」
「ここ?」
「ん…ああ、少し楽になりましたよ」
「だいじょうぶ?」
「大丈夫だったら散弾銃を己に向けたりしませんよ。ああズキズキする。鼓動に併せて痛むのは本当にイライラする」
「そういえば昔の人が頭痛いとき鉢巻してるのってこういうことだったんだね」
「どういう理屈か知りませんが、鉢回りを圧迫することで頭痛が和らぐのです。上手くすればそのまま収まるのですが、ああ…今回はどうにも治りませんね」
「たこ焼きの屋台の看板とかータコが鉢巻してるのはなんでー?」
「うるっさいですねこの無神経クソガキが!下らないことを言って人の頭痛を増そうというのですかええこの悪魔めが!」
「あああ気を紛らわせてあげようと思っただけなのつーかセンセ怖い目が赤いよ悪魔だー!!」
「憎い、憎いですよ高屋敷君。身体的な痛みどころか精神の傷も知らないようなのほほんとしたそのショタショタしい顔が大変憎らしい…この痛みを君に取って代わらせてあげましょうねえ…?」
「うわーうわーそんなことないもんセンセにいっぱい心の傷作られてるもん今だって絶賛トラウマ練成中だよ!いやああ狂気に満ちた瞳を鈍く光らせるの止めてよ!こっち見るなぁ!!」
「そうはいきません。さあ、私の目を見なさい高屋敷君……さあ…さあ!」
「ひっ…い、いぎゃあああああーーーーー!!!
あっはは!はははははははははははははは!!


―――――――――――――――


「…う…?」
「おや、起きましたか高屋敷君…いや、私と言った方が良いでしょうかねえ?ふふっ」
「!?ぼ、僕…ってことはまた精神だけ入れ替わって…?」
「ええ、その通り。君に私の身体をあげますよ…ついでに痛みも、ね」
「え…あ…?……いおぎひぃっ!?!あああぐごぎがあぁ!!?ひぎいぎぐぐごおっつがはあぁぁっっ!!!
「あはは、痛そうですねえ高屋敷君?痛いですか?ねえ、痛いですか?」
いた゛い゛ぃっ!!い゛だ…あ゛ごぐう゛づっ゛!!?たすけ゛だずげで…あた゛まが、あぎいいぃぃ!!死ぬ…シ、あ、死 、死なせっ て゛っ…!!!
「いけませんよ安西先生、死んだりしちゃ…ほら、抱きしめてあげましょうねえ」
「痛い、痛い、いたい、い゛だいい゛た゛い゛イ゛タイイ゛ダイイ゛ タ゛イ ゛イ゛ タ゛イ゛イ ゛タ゛イ゛イ゛タ゛イ゛イ゛ タ゛ イ゛イ゛  タ゛ イ゛イ゛ タ゛イ゛ イ ゛ タ゛ イ゛・・ ・ ・ ! !」
「ああ、可哀想に、本当に痛がりやさんですね先生は…」
「コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ
「いけませんと言ってるのに。仕方がありませんね、安西先生は……まあ良いです……さ、楽にしてあげますよ」
コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ
「お口を開けて下さい。そうそう、そうしてしっかり咥えてね…」
コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテコロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシテ コロシデドベチチャグショベッ!!

 BACK