いきなりな休講で暇になった僕は

校内をふらふらしていました

そしたら白衣で眼鏡な安西先生を見付けた

機嫌よさそうににこにこしながら手元を見てて

なに持ってるのかな?


「安西センセ、なに見てるの?」
「ああ高屋敷君。実は先生、この蓋を開けるだけで全人類が死滅するウイルスを開発しました」
「へーそうなんだ。開けないでね、絶対」
「え?どうしてですか?折角作ったというのに」
「全人類が死滅するからだよ!!センセもうバカじゃないのマジで!?」
「馬鹿だったらこんな劇的なウイルス作れませんよ」
「…。ところで、なんでそんなもん作ったの?」
「作る能力があったから。ですかねえ」
「呆れカエルも引っ繰りカエルね、ホントにもう絶対アホだね安西センセ」
「だって暇でしたし。…要ります?これ」
「いらないよ。でも見して」
「どうぞ」
「ふーん…キレイだね」
「そうですか?」
「ピンクで、とろっとしてる…なんかおいしそう」
「飲みますか?」
「飲まないよ!バカ言うな!」
「ですが、味はとても良いのですよ。成分的にみれば、この世で一番の美味しさです」
「いやでも開けたらあの世行きだよ?」
「しかし、とても美味しいです」
「いやいやだから」
「ええ、そうだとしても大変美味しいです」
「うん、でも…」
「凄く美味しいです」
「…そうなんだ…」
「飲みますか?」
「飲む」



――――こうして人類は滅亡しました。…御仕舞い」

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