ガララ


「こんにちわー安西先生!」
「…ああ…こんにちは……」
「あれ?なんでそんなに気も漫ろなの?なにしてるの?」
「んー…?」
「テレビゲーム?………うぎゃあ!?!」
「っ!…耳元で何を叫んでいるのです高屋敷君、顎から上を抉られたいですか?」
「センセこそなにやってんの?!学校で鬼畜BLゲーやるなー!!」
「学校でなければ良かったと」
「そうじゃないけど!ね、ホントになにしてるの…?腐男子に目覚めちゃったの…?」
「高屋敷君、人間は生涯勉強だと言った人がいました。私も先人に習い自らを高めているのですよ、まあ豚の君に言ったところで理解を得られるとは思いませんけれどねえ」
「もうそれ以上勉強しなくていいよ十分鬼畜だよ!!今までに僕随分辛酸舐めさせられてきたよー!!あとなんで普通の鬼畜ゲーじゃダメなの?!」
「だって君がショタですから…」
「僕以外の対象を探してください!もう付き合ってられないようー」
「え?…ふむ、これはいけません、君への洗脳が解けてきているようですねぇ…」
「へ…?」
「しかし安心なさい高屋敷君、先生、丁度監禁調教ゲーをやっていたところです。さあ早速地下室に行きましょう、じっ くり再開発してあげますからね☆」
「いやああ犯罪です二次元と現実を混同しちゃいけな…うわああああぁぁぁーーーーー!!!

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「♪ダーリンラムネを買ぁってきてー 二人で飲みましょ散歩道ー…」
「やだやだ放して助けてー!!なんで僕ばっかりこんな目にー?!」
「んー…調教の道具はどうしましょうかねえ?プラトニックに痛覚系にしましょうか、それともここは思い切ってアダルトグッズ…」
「どっちもダメだよセンセ!お願いもうやめようよ、今止めてくれたらなかったことにするから…」
「決めました。両方使います」
「うわあん最悪の展開ですー!!」
「この目隠しを使いましょう、次の瞬間にどちらの刺激が来るか怯えながらそれが次第に混合しどちらの刺激も喜んで自分からねだるようになるまで頑張って下さいね、高屋敷君」
「あああ鬼畜だ最悪だー!ぎゃああやめろこっち来るなぁ!はーずーせー!!」
「おやおや、暴れてはいけませんよ高屋敷君たら。黒絹で出来ていますから、目隠しがずれてしまいます…仕方ありませんねえ」
「うぐっ!?げふ…っふぐ、なに、苦しい…!」
「あれ、きつかったですか?すみません、今緩めてあげますからね」
うわああ首輪だなこの変態が!!外せアホ!!
「あまり大声を出さない方が良いと思いますよ高屋敷君。まだスイッチを入れていませんが、それは大型犬躾け用の首輪でしてねえ?吼えると電流が流れるのです」
「助けて!お願いもう止めて!!人を傷つけることは法律でも道徳でも宗教でも禁じられてる大罪だよ?!」
「大丈夫ですよ高屋敷君。だって私、君のことを愛していますから☆そう、愛の名の下には全ての犯罪が許されるのです!ミステリの世界ですら愛は犯罪の肯定にされている、ましてやサブカルチャーに於いては免罪符の如く残酷な凌辱にある種の聖性をもたらす魔法です!ああ、なんて便利なんでしょう…愛しているから仕方ない、だから情状酌量して下さい☆無理矢理ヤられても最後はラブラブになって下さい☆」
な訳あるか馬鹿ー!!どんな事情があろうと殺人監禁強姦その他モロモロ全部犯罪だー!つーかアンタ絶対愛してないだろ僕のことー!!
「ん?あーちょっと待って下さいね、えー…っと、そうそう……君が信じないというのならそれはそれで構わない。ただ、これから君の身体に刻む『事実』だけはずっと、生涯、死ぬまで、死んでも、生まれ変わっても…憶えていてもらいますよ」
台本読むなー!!!
「目隠し中なのによく悟りましたねえ。いやーあっはっはっ楽しいです高屋敷君先生とっても楽しいです☆」
「ホント楽しそうだね…さっきから語尾に星がつきまくってるよ………僕もうヤダ」
「さて、君を責め苛む道具はまず最初はどれにしましょうか?あれが良いですかねえ?それともあっちの方が楽しいですかねえ?沢山あり過ぎて迷っちゃいますね高屋敷君☆」
「どうしてそんなにはしゃぐの?!遊園地の子供か!」
「そうだあれにしましょう。ふふっ、君の為に随分前から作らせて用意していたあれがありました。さて何処に仕舞ったのでしたっけねえ〜」
「なにが僕のためなの!?自分のためだろサディストー!!」
「んー?ありませんねえ、何処にやったのでしたか……あ、高屋敷君、縄を解いてあげますから一緒に探してくれませんか?」
「誰が探すかっ!!自分を打ち付ける十字架を運ぶようなバカじゃないよ!」
「うん、微妙に耽美で素晴らしい受け台詞ですよ。やはり君は才能があるのですかね」
「あって堪るかチクショー!絶対生き残って絶対正気を保ってここから出て見せるからな!!訴えるからなー!!」
「おかしいですねえ、本当に何処にも無い…いや全く、変ですねえ………もう少し待っていて下さいね、高屋敷君」
待ちたくねえぇーーー!!!


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「……んー……」
「…ねー安西センセ…いつまで探してんの?時間間隔無いけど、もうだいぶ経ったんじゃないの?」
「だって無いのですもの…」
「なんでそれに固執すんのさ。もういいじゃん、さっさと済ませて帰ろうよ。僕お腹空いてきたしー」
「嫌です。こうなったらもう意地ですよ、見付かるまで探します」
「えー?じゃあその間僕どうしてりゃいいの?」
「…さあ…寝てて良いですよ……丁度アイマスクしてるんですしね…」
「そう?まあ別にいいけどさ」




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「……うーん……」
「………おはよ、センセ。あった?」
「無いですけど…」
「そう…」
「…」
「まあ元気出してよ、いつかひょっこり出てくるって」
「…」
「…?」
「…はあ」
「どしたの先生?」
「何か…飽きちゃいましたねえ」
「え?」
「すっかりしらけちゃいました。先生もう帰りますね、さようなら高屋敷君」
「え、ちょ、放置…う、うわああこの鬼畜教師帰って来い!!このまま餓死でミイラ化なんていやだああああ!!!

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