ガララ
「安西センセー!受かってた受かってた!こないだ受験した大学受かってたですー!!」
「…ああ…」
「リアクション薄っ!!しかもなんで半笑いなの?!」
「いえ、ただ面白くないな。と…」
「アンタ仮にも教師でしょ!?」
「落ちれば良かったのに」
「もう教師辞めろー!!」
「大学生になってしまうのですか、高屋敷君…もう今までのようには遊べないのですね」
「う…それは、そりゃそうだけど…でも浪人する訳にはいかないしー…」
「落ちれば良かったのに」
「…う゛ー」
「…明日は卒業式ですねえ…」
「うん…」
「君はいつまで経っても子供だから、ずっとこのままのような気がしていたんですよ。そんな訳がないのにね」
「こ、子供じゃないよー」
「ええ、そんな訳がないのです。もう卒業して、もう私の生徒ではなくなってしまうのですよねぇ…」
「…」
「解ってはいた事ですけれど…先生、少しだけ寂しいです」
「あの」
「意地悪を言ってすみませんでした。合格おめでとう御座います、高屋敷君。大学でも勉強を頑張って下さいね」
「安西先生!」
「ん?」
「僕が卒業しても…卒業しても、遊んでくれるんだよね?」
「…」
「安西先生…?」
「…もうお帰りなさい、高屋敷君。寝坊して明日の卒業式に遅刻なんかしないようにね」
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