「暇ー超暇ー。マジで超暇だよ安西センセー」
「受験生講習は終わったんですか?」
「今日のはね」
「へえ。ところで高屋敷君」
「う?」
「最近の私はヤンデレ化し過ぎている気がするのですよ」
「そうだね、気持ち悪いよ」
「ここらで路線を元に戻して、明るく楽しい殺人狂に戻りたいと思います」
「およそ殺人狂という単語に似付かわしくない形容詞使わないでよ。なんだよ明るく楽しい人殺しって」
「普通の女の子に戻ります」
「古っ!」
「そんな訳で、さっき君が講習を受けている間に生徒を六百人強ブッ殺してきたのですがねえ」
「どうりで北校舎が騒がしくて赤いと思った。散らかしたなら片付けてよね、落ちてた腎臓踏んで転んだよ」
「なーんか物足りないんですよ…途中で相模先生に授業をサボるなって怒られましたし。あの人あれで意外と真面目なんですよ」
「安西センセ程は無作為に生徒殺さないしね」
「一年先輩だからって偉そうな顔し過ぎですよ、同い年なのに」
「もうちょっと真面目に教師やりなよ」
「何です高屋敷君、君までお小言ですか?学校長じゃあるまいに」
「校長先生にも怒られたの?」
「書類の催促をされました」
「じゃあベッドでゴロゴロしてないで、やった方がいいんじゃないですかー」
「嫌です。ああ、全員煩いばかり…私の楽しい殺戮ライフは日々の仕事に忙殺されて、全く全くままなりません」
「その方がいい気もするけど…」
「煩いですよ高屋敷君、この百人弱の血を吸ったポン刀の餌食になりたいですか?」
「なりたくないけど…て言うか見せないでそれ…血が滴ってるし、それ掃除すんの誰だと思ってんの?僕だよ?」
「何です掃除が不満だとでも言うのですか高屋敷君、この五十人強の脳味噌を啜ったHDDの餌食になりたいのですか?」
「ハードディスクドライブで殺したの!?どうやって!」
「ぶん殴っただけですよ。それにしても頭蓋骨とは改めて硬いものだと実感しましたねえ、もうべっこべこになってデータ飛んじゃいました」
「精密機械は大事に扱ってよ!」
「煩いですったら高屋敷君、この百五十人と少しの内臓を綺麗に体内から掃除した長箒の餌食になりたいですか?」
「いやだからなりたくないけど、掃除道具まで血塗れにしないでよ。掃除できないじゃん」
「屁理屈を捏ねる子は嫌いですよ高屋敷君、この三百人少々の喉を貫き脊髄を抉ったポッキーの餌食になりたいですか?」
すげー!!ポッキーすげー!!無敵の強度だカッコイイー!!」
「はい、あーん」
「いらないよ!」
「イチゴポッキーは嫌いでしたか」
「それイチゴじゃないよ血だよ。ヘモグロビン味だよ」
「ですが、美味しいですよ?」
「食ったー!!」
「ちょっとブヨブヨしてますねぇ…」
「うん、血でふやけたんだね」
「高屋敷君、プリッツ食べますか」
「それ竹ひごー!!前にも同じこと言われたからもうあっぎゃあああああぁぁぁぁーーーー!!!
「でも前は食べさせませんでしたよ」
「あんたの言う『食べさせる』は『目ん玉に突き刺す』とどう違うんだよいっだー!!ぐりぐりすんなー!!」
「あはは、高屋敷君たら面白いです」
「双方共に面白くなれる遊びをしようよ!センセだけ楽しくて僕は悶え苦しんでるよやめろ突くな脳に達するよ!脳が!!」
「んー、殺人も良いですけれど高屋敷君を無為に弄ぶのも楽しいですね。やはりヤンデレなどつまりません、愛なんて幻想ですよねえ高屋敷君☆」
「うるせーこの人非人!アンタは愛を知らないからサディストなんだよ学べ!愛を!!つーかオチはどうしたんだよオチは?!」
「…」
「なにしてるのさ早く言いなよオチを!みんな待ってるよ!?」
「…殺人にオチなんてありません!」
「ああ言い切っちゃった!」
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