ガララ


「おはよー安西先生、寒いねー」
「ええ、本当に寒いですねぇ…」
「どしたの先生、疲れてるの?」
「ああ今日も本当に良い天気ですね〜…」
「大雪だよ」
「まるで、嘲っている様ですよ」
「…なんかあったの?」
「この年の瀬に暇そうですねえ高屋敷君、ああどうして私は仕事なんてしているのでしょう」
「が、がんばってよう安西先生、もうちょっとでお正月だからさ」
「高屋敷君高屋敷君優しいですねえ君は良い子ですよ可愛い可愛い可愛いですねえ」
「近い!安西先生顔が近い!僕の顔を挟んでる両手を離して下さいってか顔近いっつの!!
「…高屋敷君の瞳孔が可愛い…」
「どんだけピンポイントなの?!」
「針で突きたくなります」
「愛が歪んでるよ!!」
「疲れてるのですよ…」
「それは見れば解るよ。目が死んでるもん」
「最近食欲が無いのですよねえ」
「え!?どして?大丈夫安西先生?そういえば顔色あんまよくないよ?大丈夫?」
「んー高屋敷君は良い子ですねぇ〜…心配してくれるのですか?優しいですね」
「やん、そんなこと言われたら照れちゃいますよぉ…それより大丈夫なの?なんでもいいから食べなきゃ、体壊しちゃいます…」
「そうですねえ、高屋敷の肉なら沢山食べる自信があるんですけれどねえ」
「ああそれが言いたかっただけかよこのカニバリスト!!心配して損したっつーの!!」
「特にミミガーなら食べられそうです」
「耳を噛むな!耳を噛むな!!」
「あはは。二回言いましたね」
「髪の毛を口に含むなぁー!!汚いー!!」
「………ふう…」
「あだぁっ!?あ、飽きたからって突き飛ばさないでよ変態暴力教師!もー僕ヨダレでベドベドになったじゃんか!殺すぞ!?」
「はは………冗談ですよ。もうしません」
「当たり前だあ!!大体先生はやることなすことキモいんだよ!普通耳を噛む?!変態!バカ!逮捕されろ!…あ、ちょっとどこ行くの?!まだ話は終わってない…ちょっとー!!」



「…」
「あ!やっと帰ってきた!……安西、先生?」
「…」
「…どこ、行ってたの?ね…なに、してたの?」
「…う……ぐ…っ………」
「先生?!先生!?どうしたの立てないの?!口押さえて、どうしたの?!」
「…っか…高、屋敷君っ……ゴミ箱を……ぅぐっ!?」
「あわわ大丈夫センセ?!背中さすったげようか?」
「り、がとう御座いま………っ!」
「大丈夫安西先生?病気ならちゃんと病院行かなきゃ。また放置してたんでしょ」
「…は……いえ、昨日氷室さんに拉致されたと思ったら病院に叩き込まれましてね。物凄い数と種類の薬を処方されました」
「そんなに色んな病気にかかってたんだね…」
「飲まなかったらお仕置きされるので、真面目に飲んではいるのですが…やはり副作用が酷くて、吐き気が辛いのです」
「でも真面目に飲んだ方がいいと思うよ」
「やれやれ…」
「んうー、それにしてもセンセってホントは病弱だよね。結構倒れるし、普段から顔色よくないし。なのになんで大暴れするのか僕わかんない」
「まあ生まれつきですし…今更どうにかなる訳でもないですし」
「ホントに大丈夫?いくら忙しくてもあんまり無理したらよくないよ?」
「無理をしなければ終わりません」
「まあそれはそうなんだけど…」
「やはり首から下を挿げ替えた方が良いのでしょうか」
「なにそれ」
「クローンを、こう…」
「違法じゃんそれ違法だよ!?」
「この学校は治外法権です。だからこうして君を監禁する事も全く問題ないのですよ」
「え?うぎゃああ放してください待ってください僕大晦日くらい家族でゆっくりしたい…あぎゃあああああああぁぁぁぁ!!!





紅白見て

年越しソバを食べて

除夜の鐘の音が聞こえます

これで地下牢じゃなかったら

完璧な大晦日なのになあ



「お正月も完璧なお正月にしてあげますよ。年賀状を別けて、お年玉をあげて、お雑煮も食べて…」
「…地下牢で?」
「無論ですとも☆」
うわああん出してよバカー!!


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