「…高屋敷君」
「…」
「先生久しぶりに大変怒っていますよ。どうしてか分かりますか?」
「…うー」
「うーじゃないでしょう、どうなんです?分からないのならもっと怒りますよ」
「あうう…昨日の綺麗なやつ返さなかったから、センセ怒ってるの」
「つまり、怒られるのが解っていたのにやったのですね?」
「ごめんなさいぃー…」
「本当にもう…困った子です。どうするんですか、こんな事になって」
「…わかんない」
「責任が取れないことをするんじゃありませんといつも言っているでしょう」
「だって、なんかあったらセンセがなんとかしてくれると思って」
「………」
「あわわごめんなさいー!」
「はあ…どうするんですかこれは……いくら私でもねえ、やれる事とやれない事があるんですよ」
「やれないの?」
「そりゃあ、三桁単位で生贄を捧げれば何とかなりましたけれど…」
「…うー…」
「私達以外の全人類が滅んでしまっては、どうしようもないですよねえ」
「……ごめんなさい」
「反省してます?」
「してます…」
「……どうしましょうかねえ…」
「どうしよう…」
「じきにこの地球も食い尽くされますよ」
「…どうしようか」
「どうしましょうねえ……高屋敷君が悪いんですよ」
「ごめんなさいったらあ」
「世界を滅亡させたいだなんて思っているから」
「え?」
「ん?」
「なんのこと?」
「アレは君の願いを食って成長したんですもの、当然でしょう?」
「…僕、そんなこと思ってない」
「嘘吐きですねぇ、では、この状況をどうやって説明するんです」
「だって…なんでそんなの思わなくちゃいけないの」
「あはは、そんなの君が狂っているからに決まっているではありませんか。本当におバカさんですねぇ」
「僕狂ってないもん!!」
「良いのですよ、否定なんてしなくても…だって、もうその必要が無いんです」
「…?」
「異常か正常かは大同小異、まあ現時点で成立していませんけれど……もう、君一人になるんですしね」
「なに言ってるの?ねえ、どうしたの安西先生…!?」





僕の隣に居た安西先生は

いつの間にかいなくなっていて

僕は一人で



一人でここに浮かんでる

 BACK