冬休みだけど

今日も僕は学校に遊びに行きます

進路指導室に入ってみたら

なんか安西センセがいなくて

理科室に行ってみることにしました

そしたらなんかゴリゴリしてた



「♪良いおクースリを下さいなー…楽しいー夢がみーれるやつー…」
「なにしてるのー安西センセー?」
「おや、高屋敷君。ちょっと調合をして遊んでいるのです、今作っているのは咳止めの粉薬ですよ」
「調合?薬?」
「ええ、いつも瀕死の怪我を負う君の為に…」
「その怪我を尾鷲店のは安西先生だよ!!本末転倒だよ!!」
「まあまあ、とってもよく効くお薬ですから大丈夫ですよ」
「ウソだー!!きっとすごく変な効果が出る変な緑色の液体とかだー!!」
「私も信用を無くしたものですねぇ。では、この薬が本物だと実証して見せますよ(ザグドシュゥッ!!)」
あぎゃへっ!?!…な、なに…を……」
「だって傷が無ければ傷が直ると証明しようが無いでしょう?」
「だから…本末転倒だってば……ごふっ!」
「ああ、これはもう二十分放って置けば死にますねぇ〜」
オグウゲヘェッガハァ!!救急車呼んで救急車!!マジでもう吐血がびどぐてゲホウァ!…しゃ、喋れ゛な゛い゛!!」
「そんな時でも安心です、この安西先生特別調合の塗り薬を飲めば…」
「塗り薬を飲ませるなよ!!ひ…あがががやめで抉じ開けないでぐだざむんぐぐぐぐぐ!!!
「全部飲んで下さいねー」
「あげっはぁあ!!ゲホッ…ゴホゴホ…ッ!!………気、気が狂うほど不味かった…!」
「ああほら、君が零すから床が溶けてしまったではないですか」
「そんなものを飲ませたの!?」
「ちゃんと血は止まっているではありませんか」
「あ、ホントだ。……え?」
「はい?」
「あの…傷は塞がらないんだ…」
「ええ」
「あのー…肉の中身が丸見えで我ながらキモいから…出来たら傷が塞がる奴をー」
「そのままの方が可愛いですよ」
「センセの趣味はいらないから!早く!!痛いしこれ!!」
「ちっ…仕方ありませんねえ…では絆創膏を」
「バンソーコー!?そんなものでどうにかなるの?!」
「大丈夫大丈夫、私ブランドですから☆」
「笑うな怖い!!ギャーやめろ服を剥ぐな!!」
「ああ、もう少し大きなサイズの絆創膏を作るべきでしたね…まあ、沢山貼れば良いでしょう」
「貼り過ぎだよ息が出来ないよ!死ぬ!」
「すぐに剥がしますよ」
「え?…うわ治ってる!?」
「ほら、言ったでしょう?この私が作った薬ですもの」
「キモ…効果が劇的過ぎて逆にキモい…え、これ副作用とかないよね?」
「………」
「黙らないで!!ウソでもいいから無いと言って!!」
「…高屋敷君、副作用が無い薬なんて存在しないのですよ」
「絆創膏の副作用ってなんだよ!?」
「それは…十年後くらいに……」
「なにが起きるの?未来の僕はどんな目に遭うの?!」
「大丈夫大丈夫、その前に殺してあげますから☆」
「全然慰めになってない!!もうイヤだもう安西先生に関わるのイヤだ!!」
「ほう…それは私と決別すると?」
「そうだよ!安西先生と一緒にいるとロクな事にならないもんもう顔も見たくないでおうぐぐぐぐ!?!」
「ふふふ…そのおクスリ飲んでも、同じ台詞が言えますかねえ〜?」
「ゲハッ…な、なに…?今なに飲ませたの?!」
「さあ、一体なんでしょう?」
「ふざけ………あ…あ…?」
「おや、もう効き目が出ましたか…」
「イヤ…うあ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!頭が…!!頭が割れ…っぐがいぎいいいぃぃぃ!!!?!
「痛いですか?高屋敷君、痛いですか?」
「あがっイギグガガガガガッ!?!なにを、なにを…!!」
「ふふっ、高屋敷君?その痛みを取るにはこのおクスリを飲めば良いのですよ。…欲しいですか?」
「ちょうだい!!お願いちょうだい苦しいの…」
「良いですよ、さあ、歯を食い縛らないで開けなさいな」
「いっく…く、うく…っ」
「…ね?治まったでしょう?」
「あ……は、い…」
「でもねえ高屋敷君?このおクスリは定期的に摂取しないと、また頭痛がぶり返すんです…困りましたねえ?」
「………じゃあ…」
「でも君は私の傍に居たくないみたいですし。ああ、残念ですけれど高屋敷君…」
「違うの!先生違うのお願いウソだったの!!だからお願いそんなこと言わないで!お願い…僕……お願い!!」
「ええ、良いのですよ。それが君の意思だというのなら、私はずっと君の傍にいてあげますとも。嬉しいですか?」
「……はい…嬉しいです、安西先生…」




その日以来

見えない首輪が僕に着いた

これは僕の意思だったの?

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