クリスマスイブでした

クリスマスプレゼントにゲームを貰って

受験生だからやり過ぎちゃダメってお小言も貰って

ケーキとか食べて

ガラナちゃんにはビーフシチューのお肉あげて

眠くなったからおやすみなさいです

もう高校生だけどクリスマスは楽しいです


でもなんか…平和に終わり過ぎた気がする…



「何を馬鹿な、このまま終わらせる訳にはいきませんよ」
わーやっぱり安西先生が!!赤と白の浮かれた格好でなにしに来たの?!」
「おやおや、起こしてしまいましたか…メリークリスマス高屋敷君☆」
「不法侵入すんなアホ教師!サンタさんはガラスを割って屋内に入ったりしない!!」
「そんな事を言わないで下さいな高屋敷君、折角プレゼントを持ってきたのですから…」
「え?なに?」
「高屋敷君へ、この私を☆」
「体のいい夜這いじゃんか!」
「だって恋人はサンタクロースと言うじゃありませんか。さあ高屋敷君、愛の伝導者たる私と擬似恋愛を楽しみましょう☆」
「ふざけんな何が愛の伝道者だ一番恋愛バカにしてんのはアンタじゃん!」
「ええ、高屋敷君と私の愛以外は…」
「死ねー!もう死ねー!!」
「しー…静かにしないとお母様達が起きてしまいますよ?」
「むしろ起きてほしいよ、母さん!父さーん!変質者が居るのー!!」
「つれませんねえ高屋敷君、そんなにプレゼントが気に入りません?」
「入るとでも思ってんの?」
「では別に用意したこれを…」
「なんだあるんじゃん…最初っからそれ出してよね」
「はい高屋敷君、首輪と米ですよ☆」
「とうとう3年間それだったね!!もうツッコむ台詞がワンパターンだけど人間に首輪を送るな!あと僕のうちは米に困る生活はしてないー!!」
「だから、これはチョーカーですよ」
「3年間同じ言い訳を使い回すな!」
「それに今夜の晩ご飯には米がありませんでしたし」
「ビーフシチューだったからパンを合わせたの!てかなんで知ってんの!?」
「実はクリスマスになる前、イブの段階から君の部屋に潜んでいまして」
「じゃあ窓割んなよ!!」
「つい…」
「ついじゃないよ寒いなもう!」
「あ、じゃあプレゼントは窓ガラスを…」
「そういうのマッチポンプっていうの、知ってる?」
「高屋敷君は我儘な子ですねえ。そんな事ではプレゼントをあげられませんよ?」
「だからいらないってば…帰ってよもう僕眠いよー」
「高屋敷君、このサンタ服は返り血が目立たないとは思いませんか?」
「よーしセンセ一緒にこれからクリスマスパーティーしよっか!!なにして遊ぶ?!」
「パーティーよりミサに行きませんか?もう十二時を回っていますから、そろそろ始まる頃ですよ」
「クリスマスミサ?…でも、僕キリスト教の信者じゃないよ」
「構いませんよ、信者でなくても参加出来る気楽なものですから。ツリーも綺麗ですしねえ」
「ふうん…じゃあ行ってみよっかなあ」
「ええ、そうしましょう。割れた窓ガラスに気を付けて出ましょうね」



―――――――――――――――



「…おかしいなあ安西先生、僕、クリスマスミサに来たつもりだったんだけど、どうして聖歌隊の人が真っ黒な頭巾被ってるのかな?置いてる十字架が全部逆さまなのかな?血臭が教会内に澱んでるのかな?つーかなんで僕ツリーに引っ掛けられてるのかなあ?!
「あはは、嫌ですねえ高屋敷君。答えなんて解かっているのでしょう?」
「解からないよ解かりたくないよでも解かっちゃうんだよこれ黒ミサなんだね!!」
「ええ御名答です」
「うわああ助けて誰か助けてー!!」
「可愛い可愛い高屋敷君、偉大な聖人が生まれし今夜、取るに足らない凡人な君を殺します」
どうして!?どうして僕だけこんな目にあうの神なんかクソ食らえドチクショウがぁーーーー!!
「ふふっ、それでは高屋敷君…さようなら☆」





僕の胴体は切り裂かれて

内臓を出されて香草を詰め込まれ

オーブンで飴色に焼かれて

銀の食器に乗せられました

残った手足は糸を付けられ

ツリーのオーナメントにされました

赤い服を着た安西先生が

僕の首を取り上げて

ツリーの天辺の星と取り替えました

高い高いツリーだったので

ここからは色んなものが見えます


メリークリスマス、サンタさん

良い子にしてても

殺されちゃったら来てくれないかな?

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