「…高屋敷君、何をしているのです」
!?あああ安西先生?!なんでこんなとこにいるのー?!」
「こっちの台詞ですよ。校舎裏で何をやっているのですか」
「ダメダメダメぇー!こ、こっち来ちゃダメですー!!」
「やれやれ…何かを隠していると言っているようなものですよ。…どきなさい」
「だ、ダメー…あうっ!」
「………おや」
「う゛ー…」
「駄目ですよ高屋敷君…猫なんか拾ってきて」
「…だって…」
「餌付けなんて偽善でしかないのですよ?たとえ良かれと思っても結局、保健所が忙しくなるだけです」
「だってー!僕ん家ラブラドールのガラナちゃんがいるから飼えないしー!!でもほっといたら可哀相だしー!!」
「そうは言っても…」
「いいじゃんセンセだって進路指導室にペット連れ込んでんだから!校舎裏で野良猫飼ってる僕となにが違うんでーすーかー?!
「高屋敷君、暴れないで下さいな。保健所に送りますよ」
「わあーん!!センセはホントは動物なんて好きじゃないんだー!!」
「いけません高屋敷君。今はこんなに小さくとも、数年後にはに一杯の大きさになって泣きながら餌のじゃが芋に毒を混ぜることになりますよ、半端な愛情はロクな事になりません」
「猫がそんなにでかくなる訳ないでしょ!!」
「ならないと言い切れるのですか?この学校で飼っておいて?」
「う…うう……うわぁーん!!」
「ああ、また泣いて…泣けば済むとでも思っているのですか」
「ひっぐ、えく…ぐしゅ……っんう…ふえ…」
「…まあ、子供に弱いものを守る正義を教えるのは、親と教師の義務ですしねぇ」
「ふえ…?」
「やれやれ、仕方の無い。飼育委員に面倒を見て貰いますよ。」
「ホント!?ガッコで飼ってくれるの?!」
「君が煩いから仕方なくねぇ…」
「やったぁー!!ありがと安西先生僕ちゃんと毎日会いに行くよー!!」
「それはそれは……ああ、そうそう。子犬も一緒に檻へブチ込みましょうねぇ」
「え、子犬?拾ってないよ」
「君の面倒はしばらくみたくありません、一緒に飼育委員へ渡して置きましょう」
「なにそれ犬って僕の事ぎゃあなんで麻袋に押し込むのわああ助けてむごぐぅっっ!!!


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あれから小屋に入れられて

安西先生は毎日遊びに来てくれます

一緒に遊んでくれて

ご飯もくれて

でも

絶対連れて帰ってはくれません


『お世話出来そうに無いのです』


って

ああそれなら

中途半端に可愛がりになんて来ないでよ

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