ガララ


「こんにちわ安西センセー…え?」
「鏡よ鏡、不思議な鏡。この世で一番可愛いのは誰ですか?」
「なにしてるのセンセ…お芝居?」
「いいえ、これは不思議な魔法の鏡なんですよ。覗いて御覧なさい」
「ただの鏡じゃん」
「何が映っています?」
「…僕」
「ほら」
「なにがほら?」
「この世で一番可愛い君が、ちゃんと鏡に現われたでしょう。本物の魔法の鏡です」
「…はあー…」
「どうかしました?」
「ホントによくそんな口説き文句ポンポン出てくるよね…羨ましいけど羨ましくない」
「本当なんですがねえ〜」
「もういいったら!ねえそれよりおなか空いたのーおやつおやつ!」
「んー…生憎林檎しかありませんねぇ」
「それでいいよ、ちょうだい」
「どうぞ、美味しそうでしょう?」
「うん、すっごく赤くておいしそうだね」
「お食べなさい、甘くて美味しいですよ」
「ありがとセンセ、いただきまぁーす!」
「…ふふふ」
「わーホントに甘…!!ゲホ!?ゴホンカハッ…!!」
「ああ、可愛い君が妬ましい…私以外の誰かに愛される君が憎らしい…」
「あ…あ、あ………(…ドサ)」
「可愛い可愛い私だけの君の死体。ずっとずっと傍に置き続け、飽かず眺めて暮らしましょう…





 キスは絶対してあげません。君はガラスの棺の中で、永遠に死に続けるのです」

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