雪が沢山降りました

ついに根雪になっちゃったです

あーやだやだ

またいっぱい転ぶんだろうなあ…

登校してるみんなの顔も心なしか暗いです

元気なのは安西先生だけです

ホントにもう…授業サボって雪遊びなんてなに考えてるの?


「あーもー放課後になっても帰る気しないよねー…メチャクチャ積もっちゃってうんざりー(ドフッ!!あがぁっ!?!
「ん、我ながらナイスボールですね」
「なにすんのさいきなり背後から後頭部に…って冷た!なにこれまさか今の雪玉?!」
「そのまさかです。君の後頭部に衝撃と冷却を与える為に寒い中雪を持ってきました」
「そんな事の為に雪を校内に持ち込むな!!小学生か!」
「馬鹿な、雪玉に石を入れてなんかいません」
「小学生はそんな陰湿な事しないよ」
「見て下さいな高屋敷君、雪だるまも作ったのですよ」
「へ?…うわああ大量の雪を持ち込んでる!ローカ雪まみれじゃないですかやめてよ寒い!」
「寒くなんかありませんよ。寧ろ暖かいから雪だるまとカマクラと雪像と滑り台が溶けてしまうのではないか心配で…あ、良い事を思い付きました」
「え、ちょっと…どこ行くの?ねえもう遊ばないならこれ片付けてってよ。……ちょっとー」
「ありましたありました、これで雪ダルマの寿命も春まで安泰です(ガッシャーン!!)」
バットで窓を割らないでよ!!どうしたの!?」
「室内は暖房がついているから雪が溶けてしまうのですもの、こうして外気を取り入れれば室内も素敵な雪の楽園です」
「アンタが外行きゃ済むことじゃんかー!!どしたのセンセさっきからなんか変だよー!」
「だって高屋敷君が一緒に雪遊びをしてくれないんですもの!」
「はあ?!」
「折角の初雪だというのに…私は去年の雪解けから、君と雪遊びが出来る今日を楽しみにして…」
「え、あ…あう…ご、ごめんねセンセ。そんなに楽しみにしてたとは思わなかったの」
「…遊んでくれるのですか?」
「うん!…でもセンセ、やっぱ最近やけに大人気ない気がするんだけど…」
「そうと決まれば早速外で雪を踏みしめましょう。先生、新雪を踏み躙るのは処女を散らすのに似ていて大好きです」
大人だった!イヤな方面に大人だった!!
「え?高屋敷君の処女を踏み躙って欲しいんですか?」
「言ってねぇー!!それが言いたかっただけだろ!そんな事の為に雪を校内に持ち込むな!!」
「君に嫌がらせをする努力なら惜しみませんよ私は」
「存分に惜しんでくれていいよ!人に迷惑を掛けない努力なら大歓迎だけどね!」
「で、雪の大自然の中どこの処女を散らして欲しいのですか?まあ基本は上の口か下の口かですが…」
「言ってないっつってんだろしかも野外かよ!?もー先生うるさい!!いいから進路指導室帰るよ!」



「冬に暖房の効いた部屋で食べるアイスは最高だねセンセー…」
「全くです。どんな高級料理にも勝る至上の贅ですねえ」
「んーこたつがあったらもっと最高なんだけど、北海道でこたつある家ってあんま聞かないよねー」
「ファッションこたつくらい買いましょうか、折畳みで」
「いいねそれ。…あ、そのアイス一口ちょうだい」
「ああ…はい、あーん」
「あーん。…わーこれすごいおいしい!やっぱこっちがいい。僕のととっかえて」
「はあ、まあ良いですよ」
「やたー!はい、交換」
「はい」
「…んむんむ…」
「美味しいですか?」
「うん、超おいしい」
「そうですか、それは良かった。…でも、私は君が初めに食べていたアイスの方が口に合います」
「…そんなにおいしいの?」
「ええ、濃厚なのに後味はさっぱりとして」
「…やっぱそっちがいい」
「え…」
「よこせー!両方僕のだよこせー!!」
「いつからそんなジャイアン理論を採用するようになったのですか?あげますから暴れないで下さい」
「んーおいしー…♪」
「やれやれ…」

♪ピンポーン

「え?」
「はい、今開けます」
『毎度どうもー。醤油ラーメン二丁お持ちしましたー』
「ラーメンの出前?!学校に!?」
「はいありがとう御座いました。おつりは結構です」
『食べ終わったら外出しといてください。ありがとでしたー』
「さ、食べましょうか高屋敷君」
「う、うん…出前は校則違反だけど…」
「私も最近やっとラーメンを食べられるようになったのですよ。最近まで食べようとする度に、紫色のプルプルしたものに変化していたもので」
「うん…なんでだったんだろね……あ、この店キクラゲ入ってる」
「好きでした?」
「うん」
「では私のに入っていたのを」
「ありがとー。じゃお礼にシナチクあげる」
「ありがとう御座います。メンマは好きですよ」
「…うん、シナチク…」
「…メンマ」
「シナチク」
「メンマ」
「シナチクだよ!」
「いいえ断固メンマですね!」
「なにメンマって?!メンミと聞き違えやすいじゃん」
「シナチクなんて蔑称じゃありませんか、まあ君が差別を助長したいのなら構いませんけれど?」
「支那が蔑称だから使うななんて、中国からの言い掛かりだって言ったの先生でしょ!?都合いい時だけ意見変えるのやめてよね!!」
「…あー…」
「…うー…」
「すみません、これ以上シナチク対メンマで闘争を繰り広げられそうにありません」
「そうだね、ラーメンもいい感じに冷えたし伸びる前に食べよ」
「ええ」
「…んえ、鼻出てきたぁ…センセテイッシュ取ってー」
「どうぞ、鼻セレブ」
「んあー」
「高屋敷君、君は物凄く馬鹿みたいに鼻をかみますね。微笑ましい程です」
「なにそれ?意味解んない。…先生はラーメン食べても鼻出ないのー?」
「そんな隙を見せる訳がないじゃありませんか。………な…高屋敷君、止めて下さいな」
「んあ?」
「だから、鼻にテイッシュを詰め込むのを止めて下さい」
「なんでー?」
「本当にもう…子供じゃないのですから少しは人目を気にしなさい」
「だってぇーもっと気にすることあるじゃんか」
「はい?」
「オチはどうしたの?」
「………」
「………」
「…ラーメンが伸びますよ、高屋敷君」
「…うん」

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