「♪母なーるー大地ーのーふーとーぉこーろぉにー…
ガララ
こんにちわ安西センセー」
「こんにちは高屋敷君。今日も良いお天気ですねえ」
「寒いけどねー…僕お茶飲むけど、センセも飲む?」
「お願いします」
「はーい。…あれ?お茶葉どこいったの?」
「そこいら辺にありませんか」
「無いから言ってるじゃんかー…ちょっとーなんでこんなにこの部屋汚いの?ちょっとは片付けてよ!!」
「進路指導室の掃除は私の仕事ではありません、君がすべきです」
「いつもしてあげてるじゃない昨日だって!なのに半日でこんなに足の踏み場なくせるって…わざと汚してるでしょ」
「ふむ、ばれてしまいましたか」
「もう!どうしてそんなに人使うのが好きなのさ…いいからそこどいてベットにでも乗っててよ掃除機かけるからぁ!」
―――――――――――――――
「…高屋敷君、掃除機の音が煩いです」
「ねっころがってマンガ読んでる人がなに言ってるの!?」
「あとお茶はどうしたんですか?」
「どうもしないよ!自分で淹れろとも言えないよ未だにお茶葉見つからないから!」
「キーキー喚かないで下さいな…偶の休みくらいゆっくりさせて下さい」
「どこのダメ夫なの!?もーなんで僕ばっかり一人で働いてるのさー」
「あ゛ー眠いですねぇ…高屋敷君、さっさと掃除機を終わらせないと私が眠れませんよ?」
「…ーっ!!知らないもう!!」
「あれ?怒っちゃいました?」
「怒るに決まってんでしょバカッ!掃除機は後でするからさっさと寝なよ、僕は引き出しん中片付けてるから」
「…高屋敷君、癇に障るので引き出しを無意味に開けたり閉めたりするのを止めてはくれませんか」
「はあー?掃除機も嫌で引き出しの掃除も嫌?ずいぶんワガママ言ってくれるじゃんこのダメ人間」
「あ、高屋敷君四番目の引き出しを開けては…!」
「ぎゃあああ吸い込まれるー!?!たーすけーてー!!」
「だから開けてはいけないと」
「まさか吸い込まれるとは思わないよつーかベットとかが吸い込まれてんのになんでアンタだけ直立不動なんだよってわーもうムリもうムリ引き出しのヘリ掴んでる手が限界ですー!!」
「んー…」
「助けろ!なにボーっと見てんの助けてよ!!」
「いやーでも助けたら面白くないじゃあありませんか。だから…ね?」
「え、あ、ちょ…待ってよ今閉められたら僕中に入っちゃう!」
「それじゃあ時空の狭間をたっぷり旅行してきて下さいね☆」
「なんで閉めるのなんで閉めるのあああいやああああーーーー!!!(ガララバシャン)」
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『失礼致します、安西先生』
「おや、会長君こんにちは。…その手に持っているのは…」
『生徒会室のロッカーから出て来ました。申し訳ありませんが現在会議中でして、一般生徒は置いて置けませんので持って来たのですが』
「それはそれはありがとう御座います。まさか帰って来られるとは思いませんでしたね…妙な所で運の良い子です」
『では、俺はこれで失礼させて頂きます』
「はい、ご苦労様でした」
(ガララピシャン)
「さてと…もしもし高屋敷くーん、起きて下さいな。お掃除の続きをして貰いたいのですよ」
「…」
「高屋敷君?」
「………メシ」
「はい?」
「メシ。風呂。寝る」
「…あー…時空の歪みに落ちると人格が変わると言いますが、ダメ夫になっちゃったのですか?」
「メシ」
「ごはんですか…ポテチしかありませんけれど」
「…風呂」
「すみません、お風呂は流石に用意出来そうにありませんねえ」
「寝る」
「ああ、それなら今折りたたみベッドと広げてあげます」
「メシ寝る寝る風呂寝る」
「……は?」
「風呂メシメシ寝る寝る寝るメシ風呂」
「………」
「メシ寝る風呂寝るメシ」
「…ははあ、最近蕎麦殻枕を購入したのですか。使い心地は如何です?」
「寝る寝る風呂」
「それは良かったですねえ〜私も購入を考えて見ましょう」
「風呂風呂寝るメシ」
「ええ…」
「…」
「…」
「…寝る」
「…ええ、おやすみなさい」
「………すくー…」
「…」
「すー…」
「…ねえ、高屋敷君…適当に会話してみましたが、やっぱりまるで意思疎通が出来なさそうなので…」
「…くー…」
「よい…っと。(ガララ)もう一度、時空の歪みで性格を変えてきて下さいね」
「すぴー…」
「では、またいつか」
(ガララピシャン!)