学院祭三日目です
今日中に安西先生を見付けなきゃなんですけど
なんていうか
僕の学校は戦場だった
みたいな事になっているので
見付けるどころか命すら危ういかもです
もういやになっちゃったー…
「おや、ご機嫌如何ですか高屋敷君?」
「…あ、また安西先生…どうせ偽者なんだろうけどさ」
「ははは、諦めの早い子ですねえ。まだ時間はありますよ」
「うん…ところで、安西先生はなにが違う安西先生?」
「私?私は…ふふっ……高屋敷君の事が大嫌いな『安西聡美』ですよ」
「うえ!?あ、わ…うわあああああああ!!!」
「はははは足掻きなさいもがきなさいこの下位層が!私は君に対する愛情は一欠けらも持ち合わせていませんのでそ
のつもりで命乞いをしなさい。名も無く死んでいくモブの役割を担って死になさいこのクソガキが」
「やだ、だって僕…主人公だよ?なんで、こんな…」
「君の様な生き物の体液を浴びねばならないとは不快ですが、占滅するのが私の使命。さあおとなしくコンクリート
片の錆となりなさい!!」
「うわあああん安西先生ー!やさしい安西センセー!!」
「あっはは!嫌ですねえ高屋敷君、助けを呼んでも無駄ですよ。君を助ける私なんて存在する訳が……がぁ
っ!?!」
2「…無事ですか高屋敷君?」
「や、優しい安西先生!来てくれたんですねー!!」
2「血を見るのは好みません。でも…君を守る為なら、私は…」
1「ぐ…馬鹿な、こんな…ルール違反ですよ……安西聡美同士での殺人は『本物』の定めた禁止事項…(ドグシ
ュ!)っ!!」
「所詮は出来損ない…本物と同等の力を持つ私にとっては容易い事です」
「…安西、先生…?」
「私達作り物の『安西聡美』は…校内巡回の為に量産された雑兵です。本物探しはただのゲーム…『本物』にとって
は、ね」
「どうしたの?ねえ…どうして血塗れなの?」
「ですが、私にとってはそうではないのです。私は、君を…自分の物にしたい。『本物』のように、一緒に遊びたい
」
「…あ…?」
「君のことが好きです、高屋敷君。他の『安西聡美』では、君を幸せになどしてあげられません…確かに私は本物で
はないかも知れません。でも、私以外を殺してしまえば…」
「止めてよやさしい安西先生。だってそんな…僕は…」
「全部全部、殺します。だから高屋敷君、どうか私を、本物と認めて下さい」
そんな顔で僕を見ないで
僕は自分で決められないの
立ち竦んでいる僕は
やさしい安西先生に首を掴まれて
脅しのように首を絞められる
お願い止めて
僕を殺していいから泣かないで