「なにもうお風呂入って晩ご飯食べてくつろぎモード入ってんのさ安西センセー!?!」
「ああ高屋敷、プール掃除終わりました?」
「終わったよ!日も完全に落ちて真っ暗になってから二時間後にやっと終わったのがたった今だよ!!」
「はい、お疲れ様でした」
「五年分のぬるぬる掃除させといてそれだけ?!プールに生息していた謎の軟体生物と死闘を繰り広げた僕に向かってそれだけなの!?」
「はいはい良い子良い子…」
「むー…」
「ん?…いやですねぇ…高屋敷君の頭を撫でたら妙な粘液が手に付きましたよ。脳漿ですかこれは」
「違うよ、謎の軟体生物をモップの柄で突き殺した時に噴出した謎の粘液だよ」
「まあどちらでも良いのでお風呂に入ってきなさいな。君の分の晩ご飯は冷蔵庫に入ってますよ」
「はーい」
「では、私は先に休ませてもらいます。お休みなさい、高屋敷君」
「うん、お休みなさい安西先生」


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「…と言う訳で今日も良い朝に良い天気です。プール日和とは正にこの事ですね」
「うん…でも僕あんま寝てないから眠い……昨日ので疲れたし…」
「着衣のまま突き落としますよ」
「僕プール大好きー♪」
「それは何より」
「はーあ…って言った後であれなんだけど、僕、水着持ってきてないよ?」
「全裸で泳げば良いじゃありませんか、誰も見ていませんもの」
「アンタがいるよアンタが!!一番の危険人物じゃない」
「まあ冗談はさて置きちゃんと用意していますよ。愚かしい君のことですからどうせ持ってきていないと思いまして」
「あのね、そういうこと言うから僕が素直にお礼言う気なくすんだよ」
「今出してあげましょう、…っと、ああこれですね」
「スクール水着だったら僕帰るから」
「…ちっ」
「あーまったく予想通りすぎて涙が出ちゃうよね!!この変態教師!ロリコン…なのかショタコンなのか判んないけど」
「この場合ロリ女装少年好きという属性になるんじゃありませんか」
「冷静に分析しないでよ!自分の事だって解ってる?!」
「さて、私も着替えなくては…シリコンパットは何処にしまったのでしたかねえ…」
「シリコ…ま!待てー!!アンタまた水着で女装する気かよ!?」
「何か不服でも?」
「大有りに決まってるでしょってああ待ってよどこ行くの安西センセー!?!」

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「いやあ、やっぱり薄着は涼しいですねえ」
「しかもなんでよりによって女装が似合うんだろうね?!ここに思春期の青少年がいるっていうのに目の毒だとか考えないのかな!?」
「あはは。私はお固いPTAと違って、青少年が性に興味を持つのは至極当然だと思っています。だからオカズにしても良いのですよ高屋敷君☆」
「歪んだ性教育をするなよ教師のくせに!」
「女装なんて骨格からして無理なんですよ」
「え、なに?どうしたの?やってるじゃん思いっきり。女の人に見えるよ?」
「ホルモン剤も打っていない男が女装?おこがましいにも程がある。かと言ってホルモン剤を打つような真似は邪道もいい所…加工していない美少年等、所詮は紙の上にしかいないんですよ。長野でも読んでなさい」
「なに語ってんのかしらないけど、もう僕プール入っていい?」
「ええ、お好きにどうぞ」
「わーいプールだー♪」
「ふふ、そんなに喜んで…高屋敷君たら、いつまで経っても子供ですねえ」
「………」
「…ん?…高屋敷君?高屋敷くーん?……あ」
「…」
「…毎年あるんですよね、排水溝に吸い込まれる事件」

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