「…と言う訳で高屋敷君、次は君の番ですけれど…」
「わああ気付かれてた!ちゃんと隠れてたつもりなのにー!!」
「あはは、まあその小さな身体では、ここからじゃ全然見えませんけれどねえ。君の可愛い視線はさっきから肌に感じていましたよ…それと、乳臭い体臭もね」
「あうう…あの、僕みたいな何の力もない生徒は後回しにしてもよくない?」
「そうもいきませんよ。ところでどうしてRPGの魔王は勇者が弱い内に殺さないのでしょうか」
「うー!」
「さあ出てらっしゃいな高屋敷君、素直に出て来てくれれば痛くしませんから」
「痛くしないの?」
「ええ」
「…殺さないの?」
「いえ、痛くないよう一瞬で殺しますよ」
じゃあイヤですー!!
「困った子ですねえ」
「ぐすん…僕なんかと殺し合ったってつまんないじゃん…絶対殺せるんだし…カイチョーとずっと遊んでりゃよかったじゃんかー…」
「会長君こそ殺せないのですよ」
「え?」
「今ここに居る会長君は魂も肉体も半分なので、殺し様が無いのです…呪殺なら可能ですが、体育大会は物理攻撃しか認めていませんし」
「そ、そうだったんだ…通りでなんか前見た時より弱くなってたと思った」
「もちろんあれが会長君の実力ではありませんよ…まあ、ここに居る彼にとって全力ではありますが」
「じゃあ、ハーバード大学に居る会長は生きてるの?」
「無論です。私が無為に手駒を壊すとでも?こちらに居る方も、三日もあれば完全復活するでしょうね」
「ふうん……あ、それでね…」
「時間稼ぎは良くありませんよ」
「わあバレてる!!」
「高屋敷君たら、無駄な事は解っているのでしょう?早く出ていらっしゃい?」
「……」
「高屋敷君?」
「…」
「わがままさんですねぇ…」
「…」
「仕方がありません…無理矢理引っ張り出しましょうか」
「…」




ザッザッザッ…ガサ、ガサガサ




「ほら、見付けましたよ高屋敷君。こんな藪に隠れていては蚊に…ん?」
「…」
「…ぬいぐるみ?」
「…」
「やれやれ…乳臭い身代わりとはね……頭が回るようになってきて可愛くないったらありません」
「…」
「高屋敷君…まだ近くに居ますか?」
「…」
「聞こえているのなら、よく聞いておくんですね………




















首を洗って待ってなさいクソガキが」


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