そんなこんなで色々あって

運動会で毎年恒例の殺し合いゲームが始まりました

開会の時と比べると四分の一くらいに減ってる生徒数ですけど

絶対数が多いのでまだまだいっぱいいます

さっき安西センセに拳銃を貰った僕は有利と言えば有利なんだけど

最終競技まで生き残ってる人達ってそれはもう化け物みたいな戦闘能力で

正直焼け石に水な感じが拭えないです

ああ、どうしよう…



と思ってグランドの立ち木の陰に隠れてたんですけど

そしたら、なんか、ものすごい轟音が聞こえて

顔を出して覗いてみたら、安西センセと生徒会長で

少年漫画みたいなバトルを始めだして

出るに出られなくなって一時間




ああ、どうしよう





『ぐっ…は……!!』
「おやおや?もうお終いですか会長君。残念ですねえ、私としてはもう少し遊びたかったのですけれど…」
『…っ御無理を、なさらない方がいいと思います、安西先生……』
「……無理?」
『安西先生の、再生力が弱まっている事に気付けないと思う程、俺は見縊られていましたか?』
「ふん…大した事ではありません。君は自分の失血量を心配したら如何です」
『はい、安西先生。…ですが、貴方でも強がりを仰られるとは驚きました』
「憎まれ口は好みませんよ。さあ、無駄口を叩いていないでとっとと掛かって来なさいな。それともそのまま失血死ですか?」
『申し訳ありませんが、その命令は聞けません、安西先生。日本刀の間合いは死神の腕の中ですから』
「へえ、日本刀が嫌いですか?それではこっちのチェーンソーがお好みですか?それともこの対人ミサイルですか!
!!ぐお……っあ…があぁ…!!』
「おやおやおやおやドテッ腹が随分風通し良くなったではありませんか会長君?具合はどんな感じです?」
『ゲホッ……はい、安西先生。頗る…快調です。頭に上った熱も、冷えました……ゴボ』
「ああ、君の強がりはなかなか耳障りが良いですね。もっと鳴らせたいところですが、残念ながらそうも行かない…そろそろお片付けに入らなければ、ね」
『……う…安西先生、一つ、お尋ねしたい事があるのですが…』
「ん?何です会長君?冥土の土産に何でも教えてあげますよ、スリーサイズは上から…」
『油断はなさらない筈では、無かったのですか?』
「?何を言って…ぐっ!?」
『…冥土の土産を渡すのは、俺の方になりそうですね』
「っ……馬鹿な…いつの間に…こんな罠を……?」
『お気付きになられませんでしたか?』
「…ふっ…おかしいですねぇ、油断しているつもりは無かったのですが…若さには勝てないと言うことでしょうか?」
『まさか、それが実力と言う訳では無いのでしょう安西先生。手加減はなさらないと仰って下さった筈です、立って俺に全力で攻撃を…』
「高屋敷君に負けず劣らず、君もドMなようですね。けれど、残念ながら私はここまでです」
『安西先生…ご冗談を』
「命乞いはしませんよ。一思いに首を落として下さいな」
『…俺は…』
「どうしました、会長君?まさか躊躇ってでもいるのですか」
『俺は、貴方を殺す事など…』
「やれやれ…君をそんなに惑わせていたとは気付きませんでした。畏敬の念を抱くのも良いですが、程々にしなければ足枷になってしまいますよ?」
『…』
「一つ事に固執するのは、狂人のする事です。君は壁の高さを超えました…邪魔な壁を崩す時が来たのです」
『…く…』
「そう…それで良いのですよ…さあ、そのまま振り下ろして……」
『……ヴァルハラで会いましょう。安西先生!!』











「残念ながら、私は地獄へ落ちるつもりです。ヴァルハラへは君一人で行きなさい」












『なっ!?…馬鹿な、何故…』
「ははは。高屋敷君と言い君と言い、どいつもこいつも騙され易い可愛い子ばかりですね。さあ小賢しい罠のお返しと行きましょうか会長君?」
『……ああ、それでこそ俺の尊敬する安西先生です……』
「君のその、以外に情に流されやすいところ、私は嫌いじゃありませんよ」
『お褒めの言葉、身に余る光栄です』
「ふふっ…それでは会長君……さようなら☆」
『はい、安西先生』




(ズガガァォォオオオオン!!)








ホントにもう、なんなのあの関係性。

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