「……ね、センセ…次の競技ってなんだっけ?」
「…高屋敷君、あれを御覧なさい」
「ふえ?…競技中のグラウンド?」


(ドグッ!!ドカァーーーン!!『ひぎゃあああアアアぁぁぁ!!?』『水橋!今助けに…』チュドォーーーーン!!ザクドガッ!『美春逃げろ!ここは俺が…ぐがあアアアアアァア!!!』ガッ!!グチュアア…『いやああ周君を殺さないで助けて!かわりにあたし殺していいからっあがあ!?!』(ドガアアーン!!))


「…」
「…ああ……あれが、どうしたの?」
「解りませんか?この状況ですら恋人を、友人を、守る馬鹿がいるのです。誰も彼もが愚かしい…生き残ることが出来るのは、たった一人だと決まっているのにねえ」
「そうか…次の最後の競技って、殺し合い………その一人は、安西先生なんですね」
「当然ですとも。…ところで高屋敷君、これは何でしょう?」
「え?」



パァン!!



「…」
「…っ!?」
「ねえ高屋敷君、別に競争相手を減らすのは競技中じゃなくたって良いんですよ。今この場で、君を殺したって構わない。…丁度、腕も繋がったようですし」
「ぁ…ああ…」
「さあ…どうしましょうかねえ…?お楽しみはとって置くか、真っ先に食べてしまおうか…?」
「やめて、許して、殺さない…で」
「欺瞞ですねぇ高屋敷君。今死から逃げ果せても、彼は必ず君に追いつくというのに」
「おねがい、やめて…?」
「……そうですね、偶には愚かになるのも面白そうです。さあ、この銃を持って逃げなさいな仔兎君?牙の代わりにはなるでしょう」
「…逃げていいの?」
「どころか武器まで与えるとは、私も随分甘いものです」
「あ、あの…ありがと、安西センセ…」
「礼など要りません。…それでは、運が良ければまた会いましょう








 …会えた時には、殺しますけれど」

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