ぱたぱたぱたぱた…ガララバシャーン!!


「センセー!安西センセー!!」
「何ですか高屋敷君…廊下は走ってはいけないと何度も…」
僕ヒーローになりたいです!!
「………はぁ〜…」
「なんですかあそのため息はー?!」
「春休みが開けたら高等学校三年生になるというのに、君は本当にもう……はぁ…」
「安西先生…ヒーローになりたいです……」
「スラダン風に言っても駄目です」
「どーしてダメなんですかー!!僕カッコよくなりたいの!」
「高屋敷君、ヒーローになるということはですね?私や学校長や会長君のような人間を相手にするという事なのですよ?」
はうあ!!
「勝てると思っているのですか?」
「あうー…でもー……って言うか自分たちが悪だと自覚してたんだ」
「まあ、世間一般から見れば私達は悪い事をやっていますし」
「そりゃゴロゴロ人殺してるもんね」
「さて…そんな殺人鬼の巣窟を学び舎とし尚且つその殺人鬼の中枢と親しい君が、どうやってヒーローになるのですか?」
「は、反面教師って事で…もーいいから協力してよー!!生徒の夢を叶えるのが教師でしょー?!
「…やれやれ、言い出したら聞かない子ですねぇ…」
「ねえねえしてしてー」
「纏わり付かないで下さいな、邪魔臭い……大体、ヒーローの成り方なんて知りませんよ」
「僕も知らないよ?」
「殴りますよ?」
ごごごごめんなさいごめんなさい!!謝るから金槌を手に取らないでくださいぃー!!」
「そうですねえ…では、ごっこ遊びでもしてみましょうか。………会長君」


『(ガララ)お呼びでしたか、安西先生』


うわああ引き出しから出てきたー!?!
「実は高屋敷君がヒーローになりたいと言っていましてねぇ」
『そうでしたか』
「ねえどうして安西先生とか会長は引き出しから出てくるの?!四次元空間が使えるの?!ねえったら!!」
「私はヒーロー物や戦隊物の番組を見たことが無いので、よく解らないのですよ。ですので、君に指導を任せようかと」
『俺がですか』
「やってくれます?」
『はい。安西先生のご命令とあらばどんなことでも。……と言う訳で高屋敷君、やってみようか』
「ふえ?…あ、はい、お願いしまーす」
「では、会長君が悪の組織の幹部ですね」
わーい!僕ヒーローだヒーローだー!!
『と言うことは、高屋敷君は敵な訳だね?』
「うんそうですヨゴフッ!!?
『安西先生。捕まえてみましたが、これでいいのでしょうか?』
「良いのではありませんか?よく解りませんが」
「あ、あが…両肩の間接と股関節が外れっ……か、会長痛い…痛……むぐっ?!んむううぅぅー!?!」
「……で、これから如何すれば良いのでしょうねえ?」
『捕まえて縛り上げて口を塞いで。後は、悪のアジトへ連れて行けばいいのでは』
「成る程、そして拷問を受けたりするのですね。…他には何を?」
『捕まったヒーローが敵にやられる事ですか?』
「ええ、私はあまり知らないのです」
『俺も詳しくはありません。が、やってみます。生徒会室にはそれなりに道具がありますので』
「すみませんねえ…高屋敷君が我が侭なばかりに、君を駆りだしてしまって」
『いいえ、安西先生。一般性との面倒を見るのも生徒会長としての務めですから。総ては我が【私立挫賂眼学院高等学校】の為に』
「ふふっ。…では、頼みましたよ」
『はい、安西先生。失礼致します』




ガララ、ピシャン




―――――――――――――――




コンコン、ガララ


『失礼致します、安西先生』
「おや、会長君。どうかしました?」
『はい。実は高屋敷君が』
「が?」
『三時間ほど拷問と洗脳をしてみたのですが』
「…?…」
あは、あははははは!!安西センセー?!
「おや」
あはははは、きゃーははは!!ねえ先生僕は誰を殺せばいいのかなあ?そーりだいじん?だいとーりょー?キリスト?ブッダ?孔子?ねえ誰をぶち殺せばいいのかなああああ?!?
『堕ちてしまいまして』
「成る程」
『如何致しましょうか?』
「地下牢に放り込んで再洗脳しておいて下さい、次は一般世間の思想に合うように」
『はい、安西先生。了解致しました』
きゃははあははははははー頃すのこロスのミンナ殺すの!!ドイツもコイツも血ー吐いてしんじゃえうふふあはははははははは!!!!!
「……ねえ、会長君?」
『はい、何でしょうか。安西先生』
「正義の味方は、当てになりませんねえ」
『全くです』

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