今日は卒業式です

二年生の僕はあんまり感慨が無いんですけど

生徒会長とはこれでお別れなんですよね

色々お世話してもらったし遊んでもらったし

寂しいなあ…




会長、卒業おめでとーございますー!!
『ああ、高屋敷君。有難う。やっぱり卒業式は泣けてくるよね』
「そう良いながら全然泣いてないところがカイチョーらしいですね」
『ところで、高屋敷君は式の最中寝なかったかい?』
「寝てないですよ。だって首吊りの輪っか着けさせられて天井から吊るされてて、背筋が伸びてないと絞まり死ぬようになってたし」
『よかった、効果的だったみたいだね。最後の仕事が上手くいってよかったよ』
「わー、会長が考えたんだ、あれ…」
『でも、自殺願望がある生徒には逆効果だったみたいだな…俺もまだ未熟だね』
「んあー…会長が未熟だったら僕なんか生卵ですよー?これから僕が三年生になるのに」
『高屋敷君はきっと、卒業までに随分伸びるんじゃないかな?安西先生の指導下にいるんだからね』
「誤った方に伸びそうですけど…。ところでカイチョー?さっきから気になってたけど、なんでブレザーもシャツも肌蹴てるの?そんなキャラでしたっけ?」
『ああこれかい?女生徒に毟られたんだよ』
「…どうして僕の周りはモテモテ野郎ばっかりなんだ……非モテコンプレックス刺激されるじゃん…」
『俺は君の周りから居なくなる訳だけどね』
「それですよそれー!!寂しくなりますよう会長、行っちゃダメですー」
「そうですよねえ、とても残念です」
うわびっくりした!?ちょ、ちょっとは伏線張ってから登場してよ安西センセー!」
「君程の生徒を見送るのは実に惜しい…よく動く腕でしたのに」
「ねえその言い草失礼じゃない?便利なだけ?もっと人情は無いの?ねえ聞いてる?」
『お世話になりました、安西先生』
【君には随分面倒を押し付けたな。感謝している】
「校長まで急に出てこないでってば!!」
『いいえ、校長先生。この学院に通う者として当然の事でしたから。総ては我が【私立挫賂眼学院高等学校】の為に』
「…最後までその異常な敬服の姿勢は崩さなかったですねー…」
「最後、ねえ…」
『なにか?』
「いいえ。ただ…不便になるなあ。と…」
「だから失礼だってば!年上だからってなに言ってもいいと思ったら大間違いなんだよこの悪魔教師め!!」
「あはは。ガキだからといって何を言っても許されると思ったら大間違いですよこの高屋敷君め☆」
「ええちょっと待ってよ!?なんで僕の名前自体が罵倒の言葉に使われてるの?!
「のび太のクセに。みたいなものですよ」
わーん!!
「ふふふ…それはさて置き。ねえ学校長?例の話、良いでしょう?」
【うん?…しかし、彼も自分の意思で進学を選んでいるのだが…】
「まだそんなことを仰って…あの計画が会長君抜きで進められるとでも?」
【うーむ…】
「ねえねえ前から気になってたんだけど、その計画ってなに?ずっと前から言ってるじゃん」
「というわけで、良いですね?」
「聞いてよー無視しないでよー」
【む…仕方ないな】
『どういう事でしょうか、安西先生』
「つまり。下らない俗世で君が愚鈍になるのは、この私が許しません」
『ということは…』
「ははは、まあぶっちゃけると会長君が居なくなっては話が続かないのですよ。なので留年して下さいな」
「えええ酷い!!あんまりですよう安西先生!!」
「大丈夫大丈夫、会長君が進学する筈だったハーバード大学には影を置きますからね」
ハーバード!?
【しかし、身代わりでは学習が出来んだろう。私としては、記憶を共用するタイプのドッペルゲンガーを考えていたのだが…】
「あー…そっちの方が良いですね。二倍学べますし…じゃあ早速地下87階で魂分割の儀を執り行いに行きましょうか☆」
『はい、安西先生。これからも我が【私立挫賂眼学院高等学校】の為に、及ばずながら俺の力を』
「いいんですかカイチョー?!ハーバードだよ!?いいの!?!」
『うん。この【私立挫賂眼学院高等学校】に骨をうずめられるなら、俺も本望だしね』
「ある意味会長も変態なんですね…」
「さあ会長君、早いところ済ませてしまいましょう。回復に時間が掛かりますしねえ」
『はい、安西先生。総ては我が【私立挫賂眼学院高等学校】の為に』






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『…という訳で、これからも宜しく。高屋敷君』
「宜しくお願いします。…あの…会長?」
『なんだい?』
「…ちょっと透けてません?」
『ああ、大丈夫。合体すれば元に戻るからね』
うわーん!どいつもこいつも気持ち悪いよぉー!!

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