冬休みもあっと言う間に終わりました

今日から新学期です

学期始めなので、服装検査とかの生徒指導があるみたいです

校門の前では生徒指導の先生と風紀委員、生徒会の人達で一杯です

手に手に凶器を携えています

あ、休み中ピアス開けた人がいたみたい

耳、千切られてる

ちょっと怖いけど、僕品行方正だし

悪い事してないから堂々としてていいんですよね

…でも、やっぱり怖いな…





「はうう…怖いに決まってるよー…なんで新学期早々校門が血に染まってるのさ…」
『おうそこのガキ…』
「は…はいィ?!」
『テメエ…その髪、染めてんな?』
「え、あ…い、いいえ…これは自毛なんですけ…
とぼけんじゃねえぞクソガキィ!!!
ひゃあああ!?!ちちち違いますホントに自毛なんですー!!」
『あー…そうかい』
「え?あ…はい、そうです……じゃあ僕これで…」
『とぼけるんじゃしょうがねえなあ…』
「ひっ…?!」
『テメエ二年だな?イイ度胸してんじゃねえか…二年この学校に居るんなら、校則破った野郎がどうなるかくらい解るよなあ…?』
「あ、や、あ…ああああの僕ホントに自毛で…タバコ近付けないでください熱い熱いアギイイイッッ!?!
『よーし分かった。テメエは生徒指導室行きだ…楽に死ねると思うんじゃねえぞ』
ぎゃあああーー!!!か、会長助けてくださいー!!
『ごめんよ高屋敷君…俺達生徒は原則、教師には逆らえない事になってるんだよ』
「そ、そんなだって冤罪なのに…いやあああ止めてください生徒指導室いやあああー!!!




『…本当にごめんよ、高屋敷君。……代わりに…呼んでくるから』




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「いやあ離して下さいー!生徒指導室ってあの日本刀とか釘バットとかあるとこじゃないですかぁー!!」
『あ゛?テメエここ来たことあんのか?……見覚えがねえな』
「ひっく…あう、あの…他の先生に連れて来られて…」
『大体、こっから出たヤツはほぼいねえ筈だ。九割方殺してるからな』
「僕はその一割には入れますか?」
『無理だな。オラ入れや(ガチャ)
いやあああ誰か助けてよー!!
『暴れんじゃねえよ…罪状に教師に対する暴力が追加になんぞ?』
「うわあああーん!!僕もう帰るー!!」
『うるっせえな座れってんだよオラァ!!』



(ガチャバタン!!)



「高屋敷君!!」
『お?』
「あああ安西センセー!!来てくれたんですか?!」
「無事でしたか…会長君が知らせてくれたのですよ。…よしよし、恐かったでしょう?大丈夫ですからね」
「えううー!死ぬかと思ったのー!!」
『安西じゃねえか。何しに来たんだ?』
「私の玩具を取り返しにですよ…全く、よく見て下さいな、高屋敷君は色素が薄い子なんですよ。…高屋敷君?あっかんべーしてみなさい?」
「あうー…」
「解りましたか?ちゃんと虹彩も茶色でしょう?」
『…おう』
「もういい?もういい?もう僕怒られない?」
「ええ、もう大丈夫ですよ。……相模先生?」
『チッ…解った解った。悪かったよ、お咎め無しだ』
「えうー…怖かったですよぅー…」
『しかしお前が高屋敷か…判ってりゃあ連れてきゃしなかったのになあ』
「?なんでですか?」
『決まってんだろ、後が面倒だからだよ…そこのバケモン敵に回したらな』
「(僕って意外と安西先生の庇護下にいるんだなあ…)」
「いやですねえ、化け物なんて…しがない理科教師の私では、体育教師の相模先生の筋力には適いませんよ?」
『言ってろ。…じゃあ用が済んだらそいつを連れて帰れよ、俺はまだ不良生徒探しが残ってんだ』
「おやおや、仕事に戻れるとでも思ってらしたんですか?」
『…なにがだよ』
「私の玩具に手を出したのです…どうなるかくらい、解りますよねえ?」
『あ?』
「…ふふっ」
『……ああ、そういうことか…喧嘩ふっかけたいなら最初っから言えよ』
「最近運動不足でしてね〜」
『いいぜ、くだらねえガキ相手の仕事よりずっといい…やってやろうじゃねえか』
「あはは、相模先生はノリが良くて好きですよ☆…ルールはどうします?」
『いつも通り、俺もアンタも体術だけだ。力なら俺に分がある、武器が要るならどれでも使えよ』
「んー、今回はやめておきます」
『お?いいのか?』
「勝負は不利な程面白い。…そうでしょう?」
『俺は兎も全力で狩るんでな』
「私が兎?ふふ、随分舐めてくれますねえ…」
『慢心はしねえよ、気が弛めば赤ん坊にだって目を抉られる』
「お次は赤ちゃん扱いですか。私が挑発に乗るような人間とでも?猪突猛進で短絡的なあなたと同じに考えないで下さいな」
『しっかり乗ってるじゃねえか』
「誘いを断る無粋はしませんよ」
「って言うかちょっと待ってくださいー!!なに物騒なこと話してんですか!?危ないことしないでください!!
『退いてろや高屋敷…邪魔は要らないんだよ』
「相模先生殺気が!!僕体動かなくなっちゃった!!」
「相模先生の言う通りですよ高屋敷君、私の血祭り舞台の裁断に、生きの良い獲物が必要なんですからねえ…」
「安西先生オーラが!!なんか真っ黒な波動で教室がメチャクチャに壊れてますー!!」
『今日こそは白黒はっきりつけようか…俺が上か、お前が上かをよ!!
「ええ、驕った馬鹿には現実を教えてあげませんとね!!
「いやああやめてください安西センセー相模センセー!!僕の為に争わないで!?
『…』
「高屋敷君…」
「え?」
「邪魔なので死んで下さいな(ドカゴベキンッッ!!)
えごむっ!!?………(ドサ)





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意識がぶつりと途切れてから

一体どれくらい経ったのか

暗い世界から起きてみると

瓦礫の下にいました

なんとか這い出てみると

一面が焼け野原でした

学校は残骸すら見当たりません

学校が全壊しているのを見るのはこれで三度目です

安西先生たちはどこに行ったんだろう



このまま帰ってこなければ、僕は平穏な新学期を迎えられるのに

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