「………」
「どうしました?料理には自信がありますから食べて下さいな、冷めないうちに」
「…箸がありません」
「ええ」
「食器が犬用です」
「ええ」
「なんのプレイですか?」
「いいえ別に?ただ純粋に君を貶めているだけです。それ以外には一切、純粋に、他意はありません
「…それはそれで…」
「貴族趣味なのでねえ」
「………」
「どうぞ?」
「…死にたい」
「駄目です」
「……いただきます」
「ええ」
「…っ……(ぴちゃ)んん、ん(カツ…カツカツカツ、くちゅ…コクン)……は…」
「ふふふ、美味しいですか?」
「はい…でも少し塩辛くて…」
「涙が皿に入っていますよ、高屋敷君」




「ご馳走…さまでした」
「はい、お粗末さまでした。高屋敷君、こっちにいらっしゃい?顔を拭いてあげましょう」
「う、ううう…また一つ人としての尊厳を失った…」
「ほら泣くのではありませんよ。また拭き直しじゃありませんか」
うわーん!!
「ああまた…良い子だから泣くんじゃありません。……はい綺麗になりましたよ。今さっき高屋敷君が舐め清めた犬用食器の様にねえ」
「もういやだああ!死ぬ死ぬ!!死にたい!!」
「はいはい」
流さないでくださいよー!!
「うっるさい子ですねえ…私は先にお風呂に入っていますので、食器を洗っておいて下さいね」
「僕の穢れた心と体を洗いたい…」
「これ以上穢されたいのですか?」
「僕皿洗い大好きなんです!!先生はゆっくり一番風呂に入ってくださいね!!!」




(カチャ)

「ふう……高屋敷君、上がりましたので入って構いませんよ。…ん?何をしてるのです?」
「あ、安西先生。歯磨こうと思ったんですけど歯ブラシありませんかー?」
「そこの下にある棚に入っていますよ」
「ここですかー?(ガコ)…あ、あった……?」
「何か?」
「…随分沢山の使い捨て歯ブラシが」
「ああ…まあ、需要がありますのでねえ」
「刺されますよ」
「♪歯ーブーラシーは俺のだけーがー…いーたんでーいく何故なんだー…」

(ガチャ、バタン)

「洗面台に自分のしかないくせに…ホント教育によくない人だなあ…」





「あーさっぱりした♪安西先生のうちのお風呂広いですねー!」
「ええ、結構気に入っていますよ。おや…やっぱり少し大きいですねぇ…」
「え?あ、パジャマですか?しょうがないですよ、20センチ以上身長違うんですし…」
「小さいですね。蟻ですか?」
「パジャマ借りたお礼言う気無くした!!」
「高屋敷君、男物のシャツを着ている女性みたいですよ、袖余りで」
やめろよ!一部の趣味の方を狙うのをやめろよ!!
「さっきからそれしかやってませんけれどね〜」
「やってらんない…先生、僕早く夢の世界に逃げ込みたいんで寝かせてください」
「向こうが寝室ですから、ベッド使って構いませんよ」
「え?いいんですか?安西先生をソファーに寝かせる訳には…」
「私もベッドで寝ますけれど?」
「なんでだよ!?」
「何の為に枕が二つ常時用意してあると思っているのです。同衾くらいで騒がないで下さいな」
「騒ぐよ!そりゃもう警察が来るぐらい騒ぐよ!!」
「私と一緒に寝るのが嫌なら床で寝て下さい。ほら早く」
「なんで?!ソファーあるのに!」
「抱き枕の価値がない君なんて床で十分です。ソファーなどおこがましいにも程がありますね〜」
わああーん!!虐待反対ですー!!

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