「ですから学校長、《SEX MACHINEGUNS》は《Sex Pistols》よりも凄い、という若干笑かしを含めたネーミングであり」
【しかし安西教員、インディーズ時代からの名前なのだ、多少ふざけていても致し方あるまい】
「いけません、日本にはそんな考え無しに付けたバンド名が多すぎます。《ずうとるび》なんて、その典型ではありませんか」
【だが、笑いこそが人類を発展させてきた。…違うか?】
「ですが…」
【…】
「…それにしても、ビートルズが好きだと他の洋楽ファンが馬鹿にすると言う法則はどこから来たのでしょうねえ?」
もー!いい加減にしてください!!」
【ん?】
「どうかしましたか高屋敷君?」
「どうもこうもなんで僕が貴重な冬休み潰して訳の解からない対談聞かなくちゃいけないんですか?!何まじめな顔して馬鹿みたいなこと話し合ってんですか二人とも!!」 
「いやですねえ〜馬鹿じゃありませんよ。至極真面目な内容です」
「どこが?!もう僕帰らせてもらいます!!」



ガチャ


『失礼致します。校長先生はいらっしゃいますか?』
「へ?え、あ、生徒会長?!」
【…何かあったか?】
『はい、実は先日、ある暴力団の組員に娑婆代を要求されまして…』
「(神聖なる学び舎に娑婆代を要求する893も893だなあ…)」
『ですが、我が校の教師の何方からもその様な許可は頂いておりませんでしたので、生徒会役員全員で親身を尽くして丁寧にお断り申し上げ、お帰り頂きました』
「そして、お礼参りに来た…と?」
『その通りです、安西先生』
「ちょ、それまさか全員でボコったってことじゃ…」
「やれやれ…どうしましょうかねえ?学校長?」
【…名称は?】
『坂宮組です』
【安西教員、実家の配下か?】
「いいえ、聞き覚えありませんねえ…学校長は?」
【違うな】
「(うわあツッコみずらいなあ…配下ってなにさ配下って!)」
『如何致しましょうか?』
【ふん…生徒会と風紀委員、美化委員で駆除にあたれ。大した権力も無さそうだ、殺って構わん】
『…少々人手が足りないかと』
「おやおや、三会使って力不足ですか?」
『はい、相手の数が数なもので。およそ700人程度かと』
「(多いよ!!何やったんだよ生徒会?!)」
【…体育会系部の二年生全員。これで足りるか?】
『はい、十分かと。愚直な意見をお聞き頂いて有難う御座います』
「ああ、毒ガスは使わない方が良いですよ。今日は晴れていますし、風も強いですからねえー」
『なるほど、ガスが上昇気流で上がり、横にも流されてしまいますね。申し訳ありません、気が回りませんでした…ご忠告有難う御座います、安西先生』
「いえいえ…では、武運を祈っていますよ」
【校内を荒させんようにな】
『はい、生徒会と風紀委員、美化委員、体育会系部の二年生全員で駆除ですね。校内放送の許可は…』
【好きにして構わん】
『解かりました。…では、失礼致しました』



ガチャ、バタム



【…それにしても、宇宙人を見た人間に絵の上手い者はいないと言う法則があるが…】
「我々とて、宇宙人ですよねえ…」
何なんだこの学校はーーー!!

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