「…イア イア ハスター ハスター クフアヤク ブルグトム ブルグトラグルン ブルグトム アイ アイ ハスター フングルイ ムグルウナフ クトゥルウ ルルイエ ウガナグル フタグン クトゥルフフタグン ニャルラトテップ ツガー シャメッシュ シャメッシュ ニャルラトテップ ツガー クトゥルフ フタグン アイ アイ ハスター…」
「おやおや、どうしたのです高屋敷君。世界を滅ぼしたくなってしまったのですか?」
いあ!いあ!はすたぁはすたぁ!!!
「まあ、君程度で使いこなせる呪文ではありませんけれどね…よしよし、何があったのか先生に話して御覧なさい?」
「それがですねー!!酷いんですよセンセー!!聞いて聞いて安西センセー!!」
「やっぱめんどくさいので聞きません」
「自分から聞いてきといてなにその態度!?バカにしてんの?!」
「ええ」
ふざけんじゃねえぇー!!余計世界を破壊したくなったわアホオオォォ!!!」
「そんな事より高屋敷君、ネコ耳を
「付ける訳ねえだろ!どっから持ってきたんだよ?!」
「それが先日の話ですけれど、ある客の息子がドのつく変態。つまりド変態でしてねぇ〜…相手をしてくれないかと言われたので、相応の金積ませて相手をしたのですけれど、このネコ耳カチューシャ付けられるわ語尾指定されるわでもう面倒臭くて面倒臭くて」
「…変態」
「本当、困ったものです」
「いや、先生がですよ」
「あー…あとアレも突っ込まれましたよ。尻尾付きのバ
「いいい言わなくていい言わなくていい!!この話の品性が疑われるから!!」
「…この話?」
「あ…ううん、なんでもないです。こっちの話…」
「?…気になりますねえ…」
「ホントになんでもないですようー」
「そうまで言うなら聞きませんけれど。…で、着けてくれないのですか?」
「着けませんー。その変態の息子とは違った意味で安西センセは怖いんですよう…完璧に動物扱いするんですからー」
「…?私も動物扱いされましたが」
「檻にぶち込こむし」
「私もぶち込まれましたよ」
「ご飯はペットフードだし」
「そういえば食べさせて貰えませんでした。反抗したので」
「…」
「ん?」
「もう止めた方がいいね、その人のとこ行くの」
「結構面白かったですよ?何かこう…とても必死で」
「その人、心の中でそんな風に思われてるとは考えもしなかったんだろうなあ…」
「先生は演技派なんです☆」
「まあ、どっちが変態としてマシかって言われたら、センセの方がマシなんだけどさ…一応は可愛がってくれてんだし。人としてじゃないけど」
「私も『可愛がってやるよ』と言われましたよ。その割にはスパンキングされましたけれど」
「あの…そういう生々しいのやめてくんない?僕そんな事知ってるキャラになりたくない」
「犬になら解るのですけれど、猫にスパンキングはあまり聞きませんよね」
「あーあー聞こえない聞こえない!!」
「ああ…犬と言えば、高屋敷君の飼っている……そう、ガラナちゃんはお元気ですか?」
「やっとまともな話題に…。すっごい元気ですようー。昨日なんか、はしゃいで机の上に乗ってー母さんに怒られてたですよう♪」
「高屋敷君が」
ガラナちゃんが!!どうして自分から振っておいて勘違いするの!?」
「そんな事…ワザとだからに決まっているではありませんか」
「もう疲れた…安西先生と話すの疲れた…」
「でも本当、可愛いですよねえ犬って。君のところのガラナちゃんが羨ましくて私も飼い始めたのですよ」
「え?そうなの?初めて聞きましたよー!」
「会ってみますか?ちゃんと躾ましたし、とっても素直で良い子になったのですよ。前は本当にきかなくて…苦労しました」
「うんうん会いたい!どこにいるの?」
「ちょっと待って下さいね、今連れて来てあげますから…本当に良い子ですよ、見た目もとっても綺麗で……ふふふ」


(ガララ…ピシャン)



―――――――――――――――



(…ガララ)


「あ、帰ってきたー!安西センセ犬どこ?みしてみしてー!!」
「はいはい。…さあ、入りなさいな……何を恥ずかしがっているのです?主人の命令に逆らう気ですか?」
「え…先生、何かいつものペットの扱い方と違う……?……う…うあ…うわああああああああ!?!あああ!!わああああああああああぁぁぁーーー!!?!
「おやおや…どうしました高屋敷君?可愛くありませんか?」
「あ、あああ……先生、それ…ひっ……人、ですよ…」
「え?何を言っているのですか高屋敷君?確かに以前は人間でしたけれど…今は私の犬ですよ」
「…まさか……さっき言ってた…息子?」
「ええ、あんまり私に命令ばかりするのでねえ…いくら仕事とはいえ腹が立ってしまいまして。丁度犬が欲しかったので犬になってもらったのです」
「どして…肘と膝から下、無いの?」
「はは…犬は四足で歩くものでしょう?」
「どうしてこの人…話せないの?」
「いやですねえ高屋敷君、これは犬ですよ?犬が人の言葉を話す訳が無いではありませんか。声帯なんてとっくの前に焼き潰しましたよ」
「あ…あう…あ……」
「ところで…ねえ高屋敷君?」
「は…い?」
「一匹だけだと、寂しそうなんですよ…だから……もう一匹、欲しい……なーんて…」
「っ!?」
「思っていたりするんですよねえ〜…」
「や、やめっ…」
「今度は仔犬が欲しいのですよ…小さくて毛並みもふかふかで、可愛い…」
「イヤ…いやぁ……!!」
「そう……高屋敷君の様な」
いやああああああああああぁぁぁーーー!!!







―――――――――――――――







「タカヤシキくーん?何処にいるのですかー?」
「…わん」
「ああ、そこにいたのですか…よしよし、ご飯の時間ですよ」
「わんわんっ♪」
「はいはい、いいこいいこ…えー…っと?ソウスケ君は…」
「わうん」
「ああ、向こうですか?教えてくれてありがとう御座います、タカヤシキ君。おりこうさんですねえ〜」
「クゥーン…♪」
「さ、皆でご飯にしましょうねぇ……ふふっ」

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