暗くてなにも見えない

どろどろの中を泳いでいるみたい

うるさい、うるさい、耳を塞いでも聞こえる叫び

どこが上でどこが下?

気持ちが悪い

空っぽの胃で何度も吐く

ここはどこ?


まるで天国、まるで地獄


安西先生

安西先生

安西先生

帰れはしないと誰かが叫ぶから僕の声は掻き消される

触るな、気持ち悪い

お前じゃない、僕が呼んだのはお前じゃない

安西先生

安西先生

安西先生


指の先に触れたなにかの塊

蠢いて、群がってる?

引き剥がす、引き剥がす、引き剥がす

感触が変わった


安西先生の、髪


全部逃げた

安西先生だけ、残った





安西先生

高屋敷君

探したよ、ずっと探した

こんな所にまで着いて来てしまったのですか?

だって安西先生が死んだから

まるで理由になっていませんよ、馬鹿な子ですねえ

だって、だって、なんで

決まっていた事なんです。全てね

誰が決めたの。先生が、死ぬって

私が、君が、他の全てが。『関係性』が決めたのです

わかんないよ。知りたくもない

わからなくて良いのです。生きている間は

先生は、わかるの?

…ええ

忘れてよ。ねえ、死なないで

高屋敷君たら、困らせないで下さいな

どうして、どうしてこんなトコに居るの?

私が死んだからです

気持ち悪い。嫌いだこんなところ

生きているから、そう思うのです

静かで聞こえない。明るくて見えない。先生、ここは嫌い

それで良いのです。もうお帰りなさいな


誰かが叫んだ、帰れるものかと


黙れ、下種が。…大丈夫、私が帰してあげますよ。行きましょう

いやだ

高屋敷君?

センセも一緒じゃなきゃ、帰らないよ

わがままを言わないで下さいな、高屋敷君

僕やだよ。帰らないよ

帰らなければならないのです

知らないよ。わからないもの。誰が決めても知らないよ

君もいつかは此処に尋ねてくる。次はきっと、帰れないでしょうね

次なんてない。帰らないったら

ねえ高屋敷君、その時にまた会いましょう?

いやだ、やめて、離さないで

私はずっと待っていますよ

安西先生!!









知らない人から貰った薬

ジュリエットの薬

ホントはただの覚醒剤

それでもいいから使ったのに

最悪の夢しか見えなかった









待ってるだなんてウソばっかり

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