昔々、私こと五月 病が暇だった時にわざわざ下書きまでして書いていた日記
方針は【イカレている】でした











2005/10/29(土)

真面目に日記を書くと言って ..No.34

あれからどれ程の日記を書いたというのでしょう
書いたものは、訳の解からない無意味な単語の羅列と平凡な思想
所詮、私に日記は無理だったのです

しかし、私は感じました

【日記が書けないのなら、日記の様なものを書けば良いじゃない】

そう、私の頭の中で何処かの王妃が叫んだのです
決めました、私はこれから似非日記を書きます
私の心の中の暗黒を、呻きを、ちょっと言ってみたい小粋な台詞を
沢山の嘘とほんの少しの真実で絡めて、一見日記の様なそれでいて似て非なる文章にして見せます


自らで作り出した唯一神を崇めている場合じゃあ、ないみたいですね。


2005/10/29(土)

私の悪癖の一つに ..No.35

【嘘を吐く】というものがあります
治さねばと思うのですが、ついつい友人に「動物園のパンダは殆どがロボなんだぜ!(全く持って、思いつきで言ってしまいました)」や「昨日、石に躓いて転んだぜ!!(本当は石というものがどんなものなのか、目にしたことは無いのですが)」といった嘘を吐いてしまいます

誰かに叱られれば「嗚呼、なんて悪い人間なのだろう私は」と反省も出来るでしょうが…
ですが、吐かれた友人は全く嘘だと気付いてくれないのです!!

これは予測に過ぎませんが、私には嘘を吐く才能があるのかもしれません
こんな才能、いらない
こんな才能が無ければ、あんな事にはならなかった筈なのです

私には、昔親友がいました
彼は、親友であり、宿敵であり母であり、同時に赤の他人でした
(そうそう、彼の好物は木炭でした)
そんな彼に私は
「【ゆずポン】の【ポン】は、【ゲルマニウム】の【ドエ】なんだぜ!!」
と、些か激高しながらチラシの裏の白い部分に書いて嘘を吐いてしまったのです

彼は大いに驚き、大いに私を尊敬して、私が買うたびにすぐ見失ってしまう消しゴムを全て探し出してきてくれました
そんな、彼の輝く様な、方頬を不気味に歪めて笑う気色の悪い笑顔を見ているうちに私は不愉快な気持ちになり、持っていたボタン電池をラムネだと偽って彼に飲み込ませ殺しました
そして、嘘を吐いてしまう弱い自分の心を呪い、空を仰いで決心したのです



もっと強くなろう
そうすれば、今は亡き彼の背中を越えられる


私は、あの時の気持ちを忘れません
強くなりたい。いいや、強くなって見せる
そして、今度こそは彼を正々堂々と、単三の電池で殴り殺せる
そんな気がします。



2005/10/30(日)

長きに渡る ..No.36

コールドスリープから目覚めてみると、日本人がジャマイカ人に、ジャマイカ人が鶫になっているという衝撃的な出来事に遭遇しました
あまりの事に、恥ずかしながら気が動転してしまった私は、コールドスリープに入る前にBOSS(ATMマシン)から受けた指令を忘れてしまい、更にパニックに陥りました

訳も解からず、ただひたすらに側転が出来る振りをしている私に、傍にいたジャマイカ人が「お前は何もしないのか?」と怒鳴りつけてきました
そうだ、ジャマイカ人はこれで意外とビジネスマンなんだった。何をするのか忘れてしまったので何もしていないなんて言ったら、私にとって最も大切なもの(校長とサイクリングに行く方法百選が紹介されている雑誌)を奪われてしまうかもしれない(!!)

そう思った私は、自分の戦闘能力を誇大評価し、自分自身という真の敵には決して負けないとまで言われるジャマイカ人に攻撃を仕掛けてしまったのです
しかし、私は私の攻撃に必要なもの(ガーゼ、とマイナスイオン)を持っていなかったため、仕方なく「兎跳びは身体の鍛錬にはならず、体を壊すだけだ!!」とジャマイカ人に訴えかけることに全力を尽くしました

私の言葉に賛同してくれたジャマイカ人は、私に【物をつまむ能力】を与えてくれました
喜んで地面に散乱しているシジミとよく解からないプツプツしたものを摘み上げてはジャマイカ人のポケットに詰め込む私は、きっと隙だらけだったのでしょう
ジャマイカ人はポケットからプリプリしたものを掴み出して私に投げつけるという手痛い攻撃を浴びせ、コールドスリープマシンに押し込まれてしまいました


体温が下げられ、また白い闇の中に意識が消えていく中で、BOSSからの指令が【匂いが移りそうなものをジップロックに入れること】だったのを思い出しました。


2005/11/1(火)

友人が ..No.37
狂った様な数のカップケーキを作ってきた
尋常ではない数だ、おかしい…コイツ、何か企んでるんじゃないか?
そう思った私はカップケーキの匂いを嗅いでみた
やはり、尋常ではない匂いだ…コレは…

机!ステンレスの机の匂いだ!!

危ない危ない、コイツはいつもこうやって私に悪意をぶつけてくるんだ
でも、コイツを憎んじゃいけない、だって、コイツは操られているだけなんだから

そうだ、今すぐコイツを操っている黒幕を暴きに行こう
待ってろ、お前を操ってる奴を倒してやる!!
捜査権で私は友人の顔に紅茶キノコを投げつけて、教室中にある蛍光ペンを全て集めて、教室を一歩出た瞬間に邪魔になって蛍光ペンを全部捨てました


向こうだ、向こうに行こう。向こうからは奇妙な、それでいて貪りたくなる様な気配がする

―――――――

メガネだった。

なんてことだ、友人を操っていたのは、アイツが掛けていたメガネだったんだ
家に帰ってラーメンを作り、麺とスープを分けて、麺を激しく叱責していた時に気付いた
そして、昔師匠から聞いた言葉を思い出した

「メガネに操られている奴はいずれ【すする能力】を身に付けるようになる」
「そして、それを止められる者は、誰もいない」
どうしよう、どうすればいい?
「そうさせない為には能力を身に付ける前に、メガネのレンズ部分のみをきしめんの茹で汁に付けることだ」

たった一つの解決方法を思い出した私は、師匠との懐かしい日々を思い出しながら友人の元へ向かった

しかし、友人は既にタラコと白滝を合えた物をすすりこんでいたので、ポリバケツに押し込んで窓の外に放り投げておいた






落ちていく青いポリバケツを眺め、それよりも青い空を見上げる
「師匠…これで、これでいいんですよね…?」


2005/11/3(木)

輪ゴムを噛みながら ..No.38

サルバドール・ダリの事を考えていたら、いつの間にかパン生地をこねていた
勿体無いのでそのままパン生地をこねていると、次第に赤くなっていき、終には茹で海老になっていた

おかしい、どうして金魚じゃないんだ?
金魚じゃないものになんて、何の価値もあるものか!!

そう思って悲しくなってきた私は、大きな革命を起こさなくてはいけない気分に駆られてきました
そうだ、革命を起こそう
そして次第にそれが大きな戦争になっていき、終には世界戦争になる!!


こうして起きたのが、俗に言われる【千年戦争】です
この戦争には多数の茹で海老・ワカメ・ところてん
さらには小さな小魚までが美味しそうなトッピングとして使用され、犠牲となりました。


2005/11/7(月)

「貴様だったのか!!」 ..No.42

そう叫んで私は奴に飛びかかりました
奴とは、そう、私の両親を殺した憎い憎い奴とは、二回使ったティーパックです
コイツはそのしとどに濡れた肉体で両親の鼻腔と口腔を塞ぎ、窒息死させたのです

許せない、許せない。コイツだけは!
でも私には力が無い
コイツには…悔しいけれど……勝てない
なら、どうする?
諦めるのか?諦めて両親は喜ぶか?!
いいや、喜ばない、決して!!
そうだ、奴を…コイツの息の根を止めなければ、犠牲者が増え続けるんだ…
………
師匠…私は…私は…


考えているうちになんだかどうでも良くなってきたので、とりあえず道すがら飼われている犬という犬に吠え付かれながらも、よく解からないぬるぬるとした粘液にまみれたぼろきれを壁に貼り付けながら家に帰りました

家に帰ると、両親(道で拾った電池、と電気屋で無料配布していたスターターCD)の死体があったので、明日にはラーメンの具材にしたいと思います。


2005/11/11(金)

随分と間が空きましたが ..No.43

特に何をしていた訳でもなく、ただ自宅の床という床をセルロイド製の棒で叩いて、スマトラのメダン地方に住む原住民の太鼓の音に似ている場所を探し、その場所にゼムクリップを置くという瓦の精霊に頼まれた行為を行っていただけです

五分ほど前、購入しておいたゼムクリップを全て使い果たしてしまったので、行為を終了致しました
この三日間というもの、何も口にせず、眠りもせず、網戸を取り外して網の目を数えるといった日課も行わずに床を叩き続けていたので、そろそろ肉体が限界を迎えようとしています

困りました、いくら精霊の頼みだったからと言って体を壊してはいけません
何故なら私には、来たるべき【アシカダンジョン討論大会】に向けての練習があるからです
私は裏方なので、大した出番はありませんが、やはり先輩方(泥水)をサポートするためには私の体調も万全でなくてはいけません
こうしている今も、先輩方(泥水)は討論の準備を進めていることでしょう

【アシカダンジョン討論大会】には優勝商品があり、それは[優勝した者にはボーキサイトを500g]という素晴らしいものです
先輩方(泥水)達も、決して賞品に釣られた訳ではありませんが、この賞品に憧れて毎日夜遅くまで原稿の推敲を重ねています
私も少しでも先輩方(泥水)の負担を減らしたくて、資料集めに走り回ったものです

こんなにも輝かしい【アシカダンジョン討論大会】ですが、日が差せば影が出来る様に暗い一面もあるのです
それが[負けた者にはヤドカリの遺伝子を三分の二移植する]と言うものです
ヤドカリの遺伝子を移植された人は、一生自分の住む家を計測し続けなくてはいけないという運命を与えられます

この恐ろしいペナルティを知りながらも、【アシカダンジョン討論大会】に参加し、そして戦う先輩方(泥水)は素晴らしい人格者です


私も、はやく《アシカの体内の存在するダンジョンの正しい最短距離[1837番コース]の在り様》についての原稿を完成して、《アシカの体内の存在するダンジョンの正しい最短距離[1837番コース]の在り様は不必要である》と言う相手討論者を打ち負かし、ボーキサイト500gを貰えるようがんばりたいです


2005/11/19(土)

(ダンボールの) ..No.45

バラバラ死体をどこに遺棄しようかと考えていると、(頭蓋骨が)陥没した
やはり(ダンボールの)仲間に気付かれてしまったようです
「何処に遺棄したかによってはお前の陥没具合はさらに酷くなる」と言われました
遮光カーテン(にシイタケの戻し汁を染み込ませたもの)に(ダンボールを)包んで隠しておいたのに、一体何処からばれてしまったのだろう?
おかげで(頭蓋骨が)ぐちゃぐちゃだ

まあいいや、頭蓋骨なんて街(のDIY店)にならいくらだって売っているじゃないか
そんなことより、(ダンボールの)バラバラ死体は何処に捨てよう?
街に(ダンボールの)バラバラ死体を捨てる店なんてあるのだろうか?
私が住んでいるのは田舎の方だし、精々ゴミ捨て場があるくらいだ

どうしよう?東京に引っ越せば(ダンボールの)バラバラ死体を遺棄できるのかな?
田舎じゃなければ、(ダンボールの)バラバラ死体を捨てる店があるのかな?
早くしないと(ダンボールの)バラバラ死体が遮光カーテン(に染み込ませたシイタケの戻し汁)のせいで、単なる厚紙に戻ってしまう



何処に捨てればいいのかな?


2005/11/23(水)

世俗から離れて ..No.48

【平行線は如何様にしての平行線か?】について考える事に全力を注ぐのはどうだろうかと、友人と進路の話をしていて思いつきました

なかなか魅力的な人生です、何故なら、人生の最終地点は【平行線は如何様にしての平行線である】ということを理解する瞬間でもあるからです

皆さんは、『平行線は二本のどこまで行っても交わらない架空の存在、如何様になんて考えても無駄だ』とお思いでしょう
ですが、それこそが盲点なのです

平行線を例えに使われるモノをご存知でしょうか?
そうです、恋愛です
恋愛とは生きとし生ける物には必要不可欠な命題であり同時に苦しみを生み出す感情の中でも大きな部分を占める存在です
青二才の私にとって、その苦しみに等しいものなど、川原で拾ってきた綺麗な石を茹でてみても何の変化も無かったあの時の感情以外に経験がありません

どうでしょう皆さん、平行線はとっても奥深いのです
この事を深く深く考えていては、もしかしたら私の残りの人生では賄い切れないかもしれません
それにも拘らず、平行線について考える事は有意義なものでしょう


「でも」

でも、と思うんです
もしかしたら、もっと良い事が思いつくかもしれない
平行線について考えるより、空を見上げていて、ドリップコーヒーが振ってくるのを待っていた方が良いかもしれない
右手の親指を、生涯人に見せないように努力するのも良いかもしれない
電子計算機を、神と崇めれば、何か良いご利益が貰えるかもしれない
ハーゲンダッツを、破壊衝動の赴くまま渦中へ投げ込むのも良いかもしれない



人生って、難しい。

2005/12/9(金)

右に捻ると扉が開き ..No.54

左に捻ると斜め二十三度の方向で野生のニンジンが一本折れる
叩き潰すと、エデンの存在を確信できる
そんなドアノブが、今一番欲しいプレゼントだ
やっぱりプレゼントには独特の魅力があると思う

今日は誕生日だったのだけれど、伝え忘れていて貰えなかった
ドアノブ…欲しかった

でも、サンタクロースさんがいる
彼ならきっとドアノブをくれる

そして、私もサンタにプレゼントをあげよう
中途半端に泡立てた生クリームなんてどうだろう?
プラスチックの破片?ごま油?折れた箸?
思い切って、一番大切な、道で拾った綺麗な小指は?



ご老人が好むモノってなんだろう?

2005/12/12(月)

メンマに ..No.55

カラシ汁をかけながら、友人が「お前、頭悪いんじゃないの?」と言ってきた
無礼な!!と叫んでカラシ汁を取り上げて窓の外に放り投げようとしたのだけれど、友人は力が強く、あっという間に取り返されてしまった

チクショウ、メンマなんかが好きなくせに
そしてシナチクは嫌いなくせに!

でも、友人の言葉にも一理ある
確かに私は頭が悪い
でも、それ以上に体力が無い
さっきだって、私にもっと力があれば、カラシ汁を窓の外に放り投げることが出来たのに

ピータンに貪りつきながら(右手にはアンテナを握り締めていました)私は修行をする計画を立てました

修行といえば、風呂桶の中だろう
昔、師匠もそう言っていた
よし、風呂桶の中で、自分を鍛え上げるんだ!!
そうすれば、世界中のありとあらゆるものを窓の外に放り投げる事が可能だし、もしかしたら、光学式三倍ズームが搭載出来るかもしれない(!!)



待ってろよ、友人(タラバガニ)!!

2005/12/16(金)

色も太さも決めてないけれど ..No.56

兎に角(没個性的な)マーカーを探して北に三千里、南に三千里
その場で回って五千回ジャンプ
そんなに遠出をしたというのに、着いた所は(海底の)文房具屋ではなく最初に居た(ハルシオンの副作用議論が活発な)自宅でした

おかしい、あんなに修行をしたのに
あんなに風呂桶の中で過ごしたのに

風呂場という、常に孤独を強いられじめじめとした、熱さで倒れてしまいそうな場所で自分を高めた筈なのに!!

自らの不甲斐なさに咽び泣いていたら、ふと背に気配を感じました
誰だ!!と怒鳴りつけながらシャンプーの空き容器で背後を殴りつけると、それは師匠でした
慌てて助け起こしましたが、もう既に色々な物がはみ出してしまっています

昔の恩師を、自らの手で殺めてしまった…
嗚咽を漏らしていると、師匠が私の腕の中で囁きました
「気にするんじゃない…」
師匠の下で修行していた時も、そして今も、私は半端者です
そんな半端者が、師匠を殺してしまうなんて!!

私は、師匠に心からの侘びの言葉を叫びました


すると師匠が「声がでかい」と言ってはみ出た腸で殴りつけてきたので、私の右脳が吹っ飛びました。


級友が ..No.69

クレープを大量に作ってきた
クラス全員で(もこもこした)スリッパ(右)を囲みながら食べましたが、なんだか生肉を食べている様な食感でした
見ると、生肉が入っていました

これは何だ!と作った級友にいささか憤慨しながら聞いてみると
それは生肉と言うものだ!!と怒鳴り返してきます
何故クレープに生肉が入っているのか?と小ばえが逃げない程度の音量で尋ね返してみると
左を向いたらジャガイモが頭に当たったからだ。と答えてくれました

成るほど、それなら納得だ。と大人しくクレープ(生肉入)を食べる事を再開した私ですが、ふと周りを見て見るとクラス全体が舌を噛み切っている事に気付きました



まだ息のある一人に、何故舌を噛んだのか?ときいてみると
彼女は、仏の慈悲だ。と答えました


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