笑わないお姫様と笑い通しお姫様
〜金の卵より輝く君の瞳〜











――――――――

ナレーション


むかしむかし、ある所に

生まれてから笑ったことが無いお姫様と

生まれてから笑いが止まったことが無いお姫様がいました



――――――――


舞台には姫二人、観客側正面を向き座っている
姫二人がテレビ画面を見ているように演出


(面白いか面白くないか微妙なラインにいる芸人(何でも良いです)を指差し、爆笑しながら)
○姫「おほほほほあっはははは!!きゃははー面白いわねお姉さま!!」
(無表情で)
●姫「ちっとも面白くないわ」
(狂った様に笑いながら、後半は息を荒げて)
○姫「どうして?こんなに…あはは、面白いじゃはははっはっははは…ないの!!あは、あはははは苦しいわははははぁはぁはぁハァハァハァ!!?!(椅子ごとぶっ倒れる)」
(ビニール袋を取り出して)
●姫「まただわ…本当に、いつもひっくり返るんだから」


――――――――



姫二人ハケて、舞台には王(プーさんのぬいぐるみ。横に黒子衣装で声役)、王妃、じいや



じいや「国王陛下、○姫様がまた過呼吸をお起こしになりましたぞ!!」
国王「またか!!今日でもう八回目だ」
王妃「●姫は今日も笑わなかったのですか?」
じいや「はい皇后陛下、まるでお笑いになられません」
国王「お笑い芸人はもう駄目だ、ありとあらゆるお笑い芸人でも●姫は笑わなかった」
じいや「恐れながら国王陛下、どんなに面白くない芸人でも○姫様は決して笑いを止めはなさりませんでしたぞ」
王妃「『布団が吹っ飛んだ』で笑えるだなんて…○…恐ろしい子!!(ガラスの仮面)」
じいや「実は先日も、『カッターを買った』でお笑いになられていましたぞ」
国王「下らない事で笑うものだな」
じいや「私の口からは恐れ多くて申せませんが、○姫様のお笑いセンスは最低で御座いますな」
王妃「じいや…王女に向かってその言い草…恐ろしい子!!」
国王「仕方が無いな。じいや、国中を回って●姫を笑わせられる者と○姫の笑いを止められる者を探してまいれ!」
じいや「かしこまりました、国王陛下」


舞台暗転
――――――――


農民 姫二人も登場


○姫「うふふふ、お母様お父様どうなさったの?こんなに沢山面白そうな方を集めて…ヒャハハー!!」
●姫「どうせまた、ろくでもない芸人なんでしょう?」
国王「そう言うな、今回ばかりは芸人ではないぞ。…よし、早速始めよう。まずはお前からだ」

農民 屐姫様、私は姫様に取って置きの笑えないプレゼントを用意してまいりました」
○姫「まあまあ一体何かしら?!石?それとも雑草かしら?!楽しみだわイヒヒヒヒ」
(箱に入ったプレゼントを渡して)
農民 屬匹Δ勝空けて下さいませ」
(箱を開けて)
○姫「キョヘへ…あら、これは…?」
農民 屬呂ぁ∋爐乏櫃韻慮い任瓦兇い泙后!」
(床に膝をつき、犬を振り回して床に叩き付けながら爆笑して)
○姫「あーっはっはっはっはっは!!犬って!死にかけって!!?ないってそれないって!!」
国王「何をやっている!よりいっそう爆笑してしまったではないか!?(○○姫、痙攣を起こして)早く起こせ!!」
じいや「申し訳ありません、国王陛下。…ですがほれ、次のネタは●姫さまを笑わせる自身が満々のようでございます」
国王「どれ、早速見せてみろ」

〔ネタが特に思いつかないんで適当に〕

(●姫一向に笑わず、王、痺れを切らせて)
国王「この役立たずが!!ちっとも笑わぬでは無いか!!」
農民 屬發發眇修渓ありません!!」
王妃「とっととお帰りなさいこの役立たず!!」
農民 峽櫃鯔瓩い峠伉召靴討泙い蠅泙后(農民.魯韻)」
じいや「申し訳御座いません、国王陛下。やはり、駄目だったようです」
国王「ああ…誰か●姫の笑いを止められる者はおらんものか…」
王妃「面白い出来事、身の凍るような出来事…それが起きれば、●と○は…」


舞台暗転
――――――――


場面、森。女神、這い蹲って何かを探している様子


女神「ああ、メガネ…メガネ…メガネがないわ!!」
(兄、弟、通りがかって)
兄「あれ?女神さんどうしたんですか?」
女神「(女神、はっと立ち上がって)あら、熊さん。それが、メガネをなくしちゃったのよ…前がよく見えないわ」
弟「相当目が悪いんですね。僕達熊じゃありません、人間です」
女神「あらそうなの?」
弟「そうですよ。あ、メガネって(ポケットからメガネを出して)これの事ですか?」
女神「(驚いて)それよ!!どうして貴方が…まさか、盗んだのね!?この盗っ人野郎!!」
弟「違います!!向こうに落ちてたんですよ」
女神「あらそうなの(メガネを受け取る)」
弟「なんだこの女神。人を無闇に疑っておいて礼も無しかよ」
女神「まあ失礼ね!ちゃんとお礼ならしてあげるわよ!!」
兄「え、そうなんですか?すみません」
女神「貴方はとても親切な心の澄んだ方です、お礼に、このガチョウをあげましょう」

(微妙にガチョウっぽい人登場)〔こう、鍔が黄色で本体が白い帽子とか。変態っぽく〕

弟「これがガチョウ?!明らかになんか被ってる人間じゃないですか!!」
女神「いいえガチョウです。貴方の心が曇っているからそうとは見えないだけです」
兄「さっき澄んだ心だと言ったのに?」
女神「良いから受け取りなさい。人の親切は無駄にしてはいけません」
兄「え、でも…うちはこんな変態を養うような余裕は…」
女神「わかっています、貴方の家が貧乏でバナナの皮まで食べるような苦しい暮らしをしている事は」
弟「そこまでじゃありません」
女神「そんな貴方の為に、このガチョウをあげているのです。このガチョウはなんと、金の卵を産むのです!!」

(ガチョウ、ポケットから金の卵を取り出す)

兄「女神さん、今この人ポケットから出しましたよ」
女神「いいえ、ちゃんと生みましたよ。それに人ではありません」
ガチョウ「ガチョウだ!!」
弟「喋りましたよこの人!!」
女神「人ではありません」
ガチョウ「よろしくな、坊主。俺がいればお前の未来は輝いてるぞ、(親指を立てて)金の卵だけに!!」
弟「全然上手いこと言えてない!いりませんこんな人…(女神ハケる)」
兄「あっ!!待ってください女神さん持って帰ってくださいこの人ー!!」

(舞台にはガチョウ、兄、弟。兄、弟、少し呆然としてから)

弟「くそう…なんでこんな変態を押し付けられなくちゃいけないんだ…」
兄「僕達が何をしたって言うんだ…」
ガチョウ「何を言うんだ坊主!必要とあらば俺は幾らでも卵を取り出すぞ!あ、いや、生むぞ!!」
弟「今思いっきり取り出すって言ったじゃないですか!!」
ガチョウ「それだけじゃない、俺は狩りも出来るんだ」
兄「ガチョウは普通、狩られる側だと思うけど」
ガチョウ「待ってろよ坊主!父ちゃん今夜は上手いもん食わせてやっからな!!うおおおおおおお!!!(ガチョウ、ダッシュでハケる)」
兄「誰が僕達の父さんだ!!」
弟「それより待て!警察に捕まるよこの変態ー!!」
(兄、弟、ダッシュでハケる)


舞台暗転
――――――――


場面、森。舞台にはガチョウ、魚を咥えている。それを追いかける農民 下手に立って農作業中の農民



ガチョウ「アフラック!アフラック!!」
農民 崑圓舛覆気い海療ニ瀬▲劵襦!…あ、そこの人、そのアヒルを捕まえてください」
農民◆屬─△△△いい任垢(アヒルを捕まえて)うわあああー!?手が、手があぁー!!!」
農民 屬匹Δ靴燭鵑任垢?!」
農民◆崋蠅くっついて離れないんですよ!!」
ガチョウ「アフラック!アフラック!!」
農民◆屬Δ襪気ぁ!」
農民 嶌助けます!(引っ張って)あれ?離れない」
農民◆崛瓩してください!!」
農民 崑圓辰討ださい、今他の人を呼んできて手伝ってもらえば…(手を離そうとして)あらら?!私の手も離れないわ!!」
(舞台、農民E仂)
農民「あれ、どうしたんですか皆さん?ムカデ競争ですか?」
農民◆崋造呂海療ニ瀬▲劵襪鯤瓩泙┐燭蕁⊆蠅離れなくなってしまったんです。引っ張ってくれませんか?」
農民「大変じゃないですか!今助けますよ(引っ張る)…駄目だ、離れません」

(兄、弟ガチョウを追いかけ登場)

弟「な、何してるんですか?!私のガチョウから手を離して下さいこの犯罪者共!!」
兄「そうですよ、金の卵を産む事しか価値の無いガチョウから、手を離してください」
農民 屬△覆臣、このガチョウの持ち主ですか?!」
農民◆屬海離チョウが魚を盗んで、捕まえたら手が離れないんですよ!!」
農民「それを助けようとした私達も離れないんですよ!!」
兄「ええ?!それはすみませんでした。」
弟「(ガチョウにむかって)狩って何だよ!泥棒じゃないか!!」
ガチョウ「バカ野郎!!子供に美味いもん食わせてやろうって親の気持ちがわかんねえのか!?」
兄「ああ、もうどうしよう…」
弟「もうどうでもよくなってきた」
弟「だよね、なんか笑えるよね」
農民◆崗个┐泙擦鵑茵!」
農民 崢めないで下さいよ!」
農民「負けないで下さいよ!」
農民 崚蠅化个気覆い撚爾気い茵」
農民「逃げ出さないで下さいよ!」
農民◆嵜じぬいて下さいよ!それが一番大事ですよ!!」
弟「いや、面白いよ。笑えてくるもん」
兄「これ見たらさ、あのお城の笑わないお姫様…」
弟「あ、笑うかもねー」
農民◆屬┐─?私達を使って褒美を取ろうって言うんですか!?」
弟「いいじゃないですか、みんなで山分けしましょうよ」
農民 屬修鵑福弔任癲△海譴離れない事には…」
農民「夕飯の支度が!!」
農民◆屮廛薀ぅ丱掘爾慮⇒が!!」
弟「そんなに怖い顔しないで下さい、不愉快だなあ」
〔ダンスがある場合〕弟「…そうだ、踊りながら行けば、ちょっとは楽しいかもしれませんよ」
兄「じゃ、行きましょうか」


全員、下手へムカデの様にハケる



舞台暗転
――――――――


場面、城。舞台には王妃、じいや、王、○姫、●姫
●姫無表情、○姫笑い通し


じいや「なっなんですかな?!あなた達は!?」
弟「あ、どうも。実は僕達…」
王妃「まあまあなんでしょうこの人達は!新しい健康法かしら(王妃、最後尾に触れ、くっつく)きゃあああ!?離れないわ!!」
じいや「あああ王妃様?!どうなさったのですか!!」
兄「ガチョウに人がどんどんくっついて、離れなくなっちゃったんですよ」
弟「で、それ見たらお姫様笑うかなーって」
じいや「それはありがたいですけれど、なんてことをしてくれるんですか!!」
国王「もっと早く言わんか!!じいや、妃を助けろ!!」
じいや「はい国王陛下(王妃を引っ張り、くっつく)あわわくっついてしまった!」
国王「もっと頭を使えじいや!!バカか!!」
農民「もういい加減放してください!!」
ガチョウ「俺の魅力の前に、人間はトリコになる…フッ、美しさは罪なものだ」
農民◆屬Δ爾─!」
農民 屮チョウうぜえ!!」
農民 屬前のせいでみんな困ってんだよ!!」
農民◆崑臑里前が魚盗まれるからこうなるんだよ!!」
農民 屬修豌兇里擦いよ!?」
農民◆屬修Δ世茵!」
王妃「(取り乱して)いやああああ!!放して!放してえぇーーー!!!」
じいや「うるせえ!!ちょっと黙ってろ!!」
国王「じいや!王妃になんて言い草だ!!」
農民 屬前一人でくっついてりゃよかったんだよ!」
農民◆屬討瓩┸得攷瓦妊チョウ捕まえてやったんじゃねえか!!」
農民「夕飯の支度が!!」

その様を見て、●姫、悪役笑いを始めて

●姫「ふ…ふふ…はーはっはっはっはっはーーー!!愚民共めが!!愚かしいわ!!ははは、ふははははははは!!(笑い続け)」
○姫「(笑いを止めて)お…お姉さまが…笑った(以後、怯えた様に塞ぎ込む)」



舞台暗転
――――――――

ナレーション



生まれてからわらったことがないお姫様は


笑い声を響かせ続け


生まれてから笑いが止まったことが無いお姫様は


常に何かに怯え続けるようになりました


そしてガチョウと兄弟は…


――――――――

舞台、兄、弟、ガチョウ


兄「(金のゆで卵を食べながら)…あ、美味い」
ガチョウ「だろ!?」
弟「うん、意外と美味いよ。金の卵」



ナレーション


仲良く暮らしているようです。


――――――――

終劇、幕。


BACK