ガララ



「こんにちわ安西センセー」
「…」
「安西センセ、ぼーっとしてどうしたんですか?」
「…」
「先生?」
「…胃が、痛いんですよ」
「ええ?ストレスなんて全く無さそうな安西先生が?!」
「…痛いですねえ…」
「もう痛いんなら胃薬でも飲めば良いじゃないですかー…はいどぞ、大田胃散」
「いえ、胃薬程度じゃもう…ん、う…ゴボ……あー、ほら」
吐血!?ここここんなとこでなにやってんですか!早く病院行って下さいよー!!」
「嫌ですね。病院なんか行ったらどうせ他にも病気がゴロゴロ発見されるんですから、病気が見つかったらどうしてくれるんですかゴホッ、ゲホン!…ああまた」
喀血!?そんなおばあちゃんみたいなこと言ってないで早く行ってください!」
「肺も痛むと思っていたら、やはり結核が治っていませんでしたか…いやあ、不養生はいけませんねえ」
「ねえ何でそんなに人事なの?!無痛覚症か何かなんですか安西センセー!?」
「窓の外を見て下さい高屋敷君、あの最後の葉が落ちた時、私の魂も地獄に落ちるのでしょうね」
シャレにならない!!シャレにならないです安西先生!!」
「高屋敷君、私の夢は君と一緒にオーストラリアに行く事なんですよ」
「白血病まで?!」
「世界の中心で愛を叫んで下さいね」
「いやそれはちょっとお断りですけど!!」
「実はある少年の心臓移植の為に援助交際を重ねていて」
「後天性免疫不全症候群?!」
「Deep Love全然面白くありませんねえ」
「ね、先生ちょっと真面目に聞いて?どこまでがホント?」
「少なくとも後天性免疫不全症候群は違いますね、そんなポカやるような素人に見えますか?」
「いやえばらないでください。僕見分けるような目も経験も持ってないし」
「まあそのうち講義してあげましょう」
「いやだから、いりません。それより病院行ってくださいってば!」
「大丈夫ですよ、ちょっと目の前が暗くなってるだけです」
もう大分ダメじゃないですか!救急車ー!!
「すみませんが高屋敷君、ちょっと肩を貸してくれませんか?…なんだか眩暈が……あ…(ドサ)」
わあああああ!!?しししししっかりしてください安西センセー!!」


ガララ



【安西教員、昨日の書類だが…な!なんだ?!何があった!?】
「ああ!ちょうどいい所に校長センセー!!安西先生の脈が弱まっていくんですようー!!」
【またか!病院嫌いも程々にしたらどうだ!!】
「っていうか何の仕事してるんですかこの人!」
【全くアイツも一体どんな教育を…おい、聡美、まだ生きとるか?】
「う…ん……邪魔しないで下さい氷室さん、父様が呼んでいるのですから…」
【いや、まだ生きとるだろう】
「…大天使カフジエルが迎えに…」
【お前に来るのはサタニエルだ。もういい、行くぞ】
「(え、えらく親しげだなあ…)あのうー助かりますか?」
【うむ、そんなに心配しなくともすぐ出られるだろう】
「そーですか…」
【よっと…悪いが高屋敷君、職員室に行って伝言を頼めるかな?】
「あ、はい。えっと、なんてですか?」






【《暫らく呪術保健室に篭もる》と】
病院じゃなかった!!


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