「(…ふう、危なかったあ〜…もう安西先生ってばほっとくとなに言い出すか解ったもんじゃないんだから!)」
「さて…じゃあお昼買ってきますけれど、何が良いですか?」
「んと…焼そばとガラナかなあ」
「それだけで良いんですか?奢ってあげますから、もっと食べて構いませんよ?」
え、ホント?!じゃあえっとえっと…たこ焼きとおでんとフランクフルトとかき氷も!!」
「ふふっ、解りました。少し待ってて下さいな」



「高屋敷君、お待たせしました」
「あ、遅かったですねー…って安西先生、その右手に持ってるのは…」
「ん?これですか?さっきから誰と来てるのかとかうるさくて…ああ、食べたかったらどうぞ」
「食べないよ!!」
「そうですか?…まあ、美味しくはなさそうですしね〜」
「そういう問題じゃないんだけど…と、とにかくセンセ、それ海にでも流しといてくださいよ!!」
「ですが、海に流したら海が治してくれて生き返ってしまうかも知れませんよ?」
「いや…喜ばしいことじゃないですか」
「ちっとも。こういう手合いは死んだってナンパ癖は直らないんですから…そうだ、頭をスイカ割り用に使いましょう。高屋敷君、鋸持ってませんか?」
「持ってないよ!爽やかな浜辺で何する気なんだ!!
「頭と胴体を切り離して金属バットで叩き割ろうと…」
言わなくていいですって!やんないでくださいよ!?」
「そうですねぇ…脳味噌もスカスカそうですし、止めておきましょうか」
「あーよかった…なんとか日常の範囲内の犯罪ですんだ…」
「…おや、向こうにバーベキューをやっている団体さんが居ますねえ…折角ですし、食材として提供しましょう☆」
やめて!!警察が来るからやめてください安西センセー!!!




「?安西先生そのボートどっから持ってきたんですか?」
「貸しボートですよ。さあ高屋敷君思い切り沖に行きましょう、そして遭難するんです!!」
「いやです」
「…」
「いや」
「…高屋敷君、今死にますか?それとも後で死にますか?」
「解りました!解りましたからそのバーベキューの串をしまってくださいよー!!」



「…センセ、このボートあんま空気入ってなくないですか?」
「そうですか?こんなものだと思いますが…気を付けて下さいね高屋敷君、穴でも開けたら本当に遭難ですよ」
「バグナグを装備されながら言われても説得力ゼロですよ!?」
「そんなことより…高屋敷君、あれをご覧なさいな」
「へ?海上をなにやら黒っぽい三角の物体がスイスイと…って…」
「サメ。ですねえ」
うわああああー!!?アワワワワどうしようどうしよう安西先生?!捕まえてフカヒレスープに?!?
「んー…食材に出来るのは主にシュモクザメなんですが……残念ながら、あれはホオジロザメみたいですねえ〜…というか、そんなにテンパらないで下さいな」
「ほ、ホオジロザメ?それって大人しい性質とかですか?僕食べられるのは嫌ですよう〜」
「いえ、大人しいのはシュモクザメの方です。ホオジロザメは映画【ジョーズ】にも出てきたように非常に獰猛な
ぎゃあああアアア!!!だから慌てろよ!肝が据わるにも程があるよ!!」
「ふふっ、いやですねえ?この私がサメごときに慌てる訳が無いでしょう?」
「え、そりゃそうかもしんないですけど…じゃあ何とかしてくださいよう!」
「はいはい…それでは高屋敷君ちょっと失礼しますね」
「え?……ちょっと!なに縛ってんですか?!こんな所と状況で緊縛プレイですかこの変態教師!!」
「人聞きの悪い…いいからはい、頑張ってきて下さいな高屋敷君☆」
「え、あ、ちょ?!ああああああああアアアアァァァ?!?………(バシャアアン!!)がぼフッ!!………」


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