ガララ


「安西先生、自然界の基礎法則って知ってますか」
「…突然来て何を言い出すんです高屋敷君?」
「知ってますか?」
「いえ知りませんが…それよりもそんな死んだ魚の様な目でどこを見てるんです?」
自然界の基礎法則とは北があれば南があるという事です
「…は」
「他に右があれば左がある!上があれば下があって白があれば黒があり硬いがあれば柔らかいがあるんです」
た、高屋敷君?!どうしたんです!?」
「それは日本で言われるところの犬が西向きゃ尾は東という古来からの伝聞にも表されるようにその命名通り自然界の基礎法則なんですよ!!」
しっかりしなさい高屋敷君!夏休みに入ったこの三日間で君に何があったんです?!何故私がツッコミをしなければ!?」
「片方があればその逆に相反する片方が存在する。それは絶対です、そしてその真ん中には【間】が存在するんです
「高屋敷君私の話を…
「解りやすく説明すると黒と白の間には【灰】が存在するんですですがその灰色には
「しっかりして下さい!
「僕はしっかりしてますよ何故なら自然界の基礎法則を理解したからです。灰色には様々な濃度がありもしその灰色が黒よりの灰色であればそれは一体何処からが黒と判断すべきなのか?それは自然界の基礎法則を成り立たせる事に大きな壁となっ
「高屋敷君…!
「っていたんですが、つい最近解かれたのです。それはまるでフェルマーの最終定理のように、そう、自然界の基礎法則は本の余白の部分の様に必要とされるべきではない所に表されるようなもので
「高…
「何かがあれば逆の何かがあるそれに相反するように存在する灰色。しかし少し考えを変えるだけで解けたんです。つまり灰色にも相反するものがあるという事で、それが一体何かというと…



―五時間経過―



…つまり、初めから言っているように北があれば南があるという事は自然の中に絶対的に存在しなくてはならない法則で、これが無ければ世界は反転して倒壊してしまう恐ろしくも神聖で幻想的な唯一法則なんです」
「…」
「…」
「…」
「……はっ!?ぼ、僕は一体何を?!やたらのどが痛く…あれ?安西センセ?」
「…高屋敷君」
「え?」
「自然界の基礎法則というものを知っていますか?」
な、なんですかそれ?!

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